研究課題/領域番号 |
10470195
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 秀哉 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50301263)
|
研究分担者 |
大関 修治 大阪大学, 遺伝子情報実験施設, 助手 (80093384)
井上 武宏 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10159981)
井上 俊彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70028512)
|
キーワード | 呼気中NOx / 肺癌 / 放射線肺臓炎 |
研究概要 |
これまでに29例の肺癌患者ならびに健常者11人の呼気中NOxを測定してきたが、本年度あらたに正常健常者7人(照射無し)、肺癌患者17人において呼気中NOxを測定した。これまでに肺癌患者の呼気中NOxは健常者に比して高く、さらに喫煙者で高い傾向が認められている。胸部放射線照射後の変動に関しては前回同様照射前に比して10〜20Gy時点では呼気中NOxが減少し、30Gyにてやや上昇しその後また減少するパターンをしめすものが多いことを確認した。そのうち1例に臨床的放射線肺臓炎を認めたが、この症例では照射前50ppbであった呼気中NOが20Gyで22ppbまで下降した後30Gyで32ppbとやや増加した後、減少が認められずさらに50Gy時点では50ppbとほぼ前値に復帰した。そこで胸部CTならびに動脈血酸素飽和度を検査したところ腫瘍の縮小と周囲照射野に濃度上昇を認め、酸素飽和度は入院時の82.3mmHgより低い76.8mmHgであった。当症例は突発性間質性肺炎をあわせもっており、60Gyまでの照射を当初予定していたが、放射線肺臓炎との診断にもとづき50Gyにて放射線治療は終了とした。その後残念ながら3ケ月後に放射線肺臓炎の悪化により死亡された。この症例の場合でも呼気中NOxは放射線肺臓炎の予測に有用ではあったが、より早い時期に予測できればより有用であり、現在測定時期および放射線肺臓炎と判断できる条件を検討し論文投稿準備中である。
|