研究課題/領域番号 |
10470199
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
早渕 尚文 久留米大学, 医学部, 教授 (20108731)
|
研究分担者 |
小島 和行 久留米大学, 医学部, 講師 (40178265)
安陪 等思 久留米大学, 医学部, 講師 (90167940)
鬼塚 昌彦 久留米大学, 医学部, 助教授 (30160899)
芝本 雄太 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (20144719)
|
キーワード | 中枢神経初発リンパ腫 / 中枢神経 / 悪性リンパ腫 / 放射線治療 / 化学療法 / 治療成績 |
研究概要 |
1985年から1994年までの10年間に全国の62施設(56大学病院と4がんセンター、2総合病院)で治療された中枢神経初発悪性リンパ腫(中枢神経リンパ腫と略す)544例についてはその集計結果を既に報告している(早渕尚文、他:放射線腫瘍学会雑誌:1997)。治療成績向上のために臨床的な第3層試験を行う前段階として、これらの症例について初回治療を行なったそれぞれの施設にお願いして追跡調査を行った。追跡調査が可能であったのは466例であった。今回はこの466例について検討した。その結果、これまで言われていたように、年齢や全身状態が治療成績に影響を与えることを確認できた。さらに、今回新たに中枢神経リンパ腫は単発か多発か、B症状が有るが無いか、髄液播種が有るか無いか、LDHの上昇が有るか無いかなども長期的な予後に影響することがわがった。一方、放射線治療の線量や全脳照射の有無などの照射の範囲では明らかな差がでなかった。また、化学療法の併用例は放射線単独治療例に比べ、治療成績がややよい傾向にあったが有意差はなかった。これは、化学療法併用の有無よりも年齢や全身状態、単発が多発か、B症状の有無、その他がより大きな因子となっている可能性を示唆すると考えられた。従って、化学療法の併用によって治療成績向上を図ろうとする臨床的な第3´層試験を行う場合は、前述の予後因子を十分考慮した層別化が必要であることがわかった。今後はこの結果をもとに、早急に臨床的な第3層試験のプロトコールを作成する予定である。また、前述の成果については国際的な雑誌に発表予定である。
|