研究課題/領域番号 |
10470223
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 福井医科大学 (1999) 群馬大学 (1998) |
研究代表者 |
宮本 薫 福井医科大学, 医学部, 教授 (30125877)
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研究分担者 |
稲津 哲也 福井医科大学, 医学部, 助手 (00242587)
山田 一哉 福井医科大学, 医学部, 助教授 (20263238)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 転写因子 / ゴナドトロピン / 誘導性 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
私どもは最近、サブトラクションクローニング法を用いてラット卵巣からゴナドトロピン誘導性の遺伝子群を単離した。これらの中にゴナドトロピンによって著名に誘導される新しい転写因子を発見し、GIOT(Gonadotropin Inducible Ovarian Transcription factor)と命名した。GIOTはジンクフィンガー構造を持った典型的な転写因子である。ノーザンブロットによりその遺伝子発現を検討したところ、卵巣でゴナドトロピン刺激により6時間後に著名に誘導されることが明らかとなった。またGIOTには、構造の極めて似通った2つの遺伝子が存在し、GIOT-1、GIOT-2と命名した。GIOT-1はそのN末端にKRABドメインを有しており、Heterologouspromoter系で転写抑制活性を持つことを明らかにした。これは、GIOTが卵巣でホルモン刺激により誘導され、特定の遺伝子を抑制する事でその機能を果たしていることが推測された。またGIOTの生体内分布を調べると、その発現は卵巣および、副腎で高く、SF-1と同様の発現パターンが確認された。このことは、GIOTがSF-1同様、ステロイド産生組織で本質的な役割を果たしていることを示唆している。卵巣でのステロイド合成に対するGIOTの役割を、卵巣顆粒膜細胞の初代培養およびステロイド産生腫瘍細胞株MA-10を用いて検討し、この転写因子が卵巣機能に深く関わっていることを明らかにした。またGIOTの発現は卵巣および副腎に限局している事から、副腎性および卵巣性の原発性無月経症との関連も示唆された。
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