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1998 年度 実績報告書

アドレノメデュリンの心・血管細胞における産生調節及び作用機序の分子内分泌学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10470228
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

寒川 賢治  国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)

研究分担者 児島 将康  国立循環器病センター研究所, 生化学部, 室長 (20202062)
キーワードアデレノメデュリン(AM) / 降圧ペプチド / 循環調節因子 / 産生調節 / エンドセリン(ET) / 内皮細胞(EC) / 炎症性サイトカイン / リポポリサッカライド(LPS)
研究概要

アドレノメデュリン(以下AMと省略)は褐色細胞腫より発見された降圧性ペプチドで、強力な血管弛緩作用を示す。これまでの研究で、血管平滑筋(VSMC)や内皮細胞(EC)のみならず、間質系の線維芽細胞がAM遺伝子を活発に発現し、またその産生は炎症性サイトカイン、リポポリサッカライド(LPS)や種々の循環調節因子で制御されていることを明らかにした。
本年度は、ラットECでのAM産生調節について詳細に検討し、またECにおける血管収縮因子であるエンドセリン-1(ET)と比較することにより、血管トーヌス調節におけるAMの役割について考察した。
培養ラットECのAM産生調節は、基本的にVSMCのAM産生調節と類似しTNFやIL-1で強く刺激され、またTNF,IL-1,LPSの共投与によりAM産生はさらに増加し、敗血症性ショック時のAM産生に内皮細胞も関与する可能性が示された。LPSをラットに投与し、内皮の有無によるAM遺伝子発現を比較したところ、内皮の除去によりAM mRNA量は相対的に減少し、血管壁AM系において内皮由来AMが重要な位置を占めることが確認された。ラットECでAM産生を最も強く増強したトロンビンは、ET産生も強く亢進し、フォルボールエステルはAM及びET産生を共に低濃度では刺激、高濃度では抑制した。
また、ステロイド,甲状腺ホルモンは両者の産生を弱く刺激した。一方、TGF-βは強くAM産生を抑制したが、ET産生を強く抑制し、炎症性サイトカインもAM産生を促進するが、ET産生には変化を与えなかった。IFN-γ,上皮増殖因子(EGF)はAM産生を抑制したが、ET産生に変化はなかった。
これらの結果より、ECの産生する主要なペプチド性弛緩,収縮因子であるAMとETは基本的に異なった調節を受け、血管トーヌス調節において相反する因子としてECより産生されると推定された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Tsuruda T.,et al.: "Adrenomedullin:a possible autocrine or paracrine inhibitor of hypertrophy of cardiomyocytes." Hypertension. 505-510 (1998)

  • [文献書誌] Ono Y.,et al.: "cDNA cloning of canine adrenomedullin and its gene expression in the heart and blood vessels in endotoxin shock." Shock. 10. 243-247 (1998)

  • [文献書誌] Kitamura K,et al.: "The intermediate form of glycine-extended adrenomedullin is the major circulating molecular form in human plasma." Biochem.Biophys.Res.Commun.244. 551-555 (1998)

  • [文献書誌] Kubo A.,et al.: "Production of adrenomedullin in macrophage cell line and peritoneal macrophage." J.Biol.Chem.273. 16730-16738 (1998)

  • [文献書誌] Isumi Y.,et al.: "Adrenomedullin production in fibroblasts:its possible function as a growth regulator of Swiss 3T3 cells." Endocrinology. 139. 2552-2563 (1998)

  • [文献書誌] Isumi Y.,et al.: "Regulation of adrenomedullin production in rat endothelial cells." Endocrinology. 139. 838-846 (1998)

  • [文献書誌] A.Martinez & F.Cuttita(Eds)(分担)Minamino N.,et al.: "“Adrenomedullin"(分担)Adrenomedullin production in vascular cells and its function in the vascular wall." ISO Press,Amsterdam, 24 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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