研究課題/領域番号 |
10470241
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡辺 剛 京都大学, 医学研究科, 助手 (50293866)
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研究分担者 |
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
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キーワード | 食道癌 / アポトーシス / EGF / STAT |
研究概要 |
1)正常細胞における転写因子STATの活性化 正常食道粘膜の初代培養細胞を用いて、EGF刺激によりSTAT1及びSTAT3が活性化されることを、免疫細胞染色の手法を用い、STAT蛋白質の核移行として捉えるに初めて成功した。この結果は、食道扁平上皮癌細胞株の多くが、EGF-STAT情報伝達系を喪失していることを合わせて考慮すると、発癌の過程にこの情報伝達系が関与していることを示唆するものである。2)正常組織におけるSTAT蛋白質の局在同定 免疫組織染色法により、STAT1蛋白質は扁平上皮中間層の細胞の核に認められ、STAT3蛋白質は基底層の細胞の核に認められた。このことは、1)のin vitroのみではなく、生体内においても、食道扁平上皮細胞がSTAT活性化の潜在的能力を有すること示唆するものである。3)EGFによる食道肩平上皮癌細胞株のアポトーシス 我々が発見したEGFによる食道癌細胞の増殖停止反応は、FACScan解析によりサブG1分画の増加、DNA fragmentation、クロマチンの凝集からアポトーシスであることを証明した。このアポトーシスの過程において、ウエスタンブロット法および阻害実験により、カスペース1、カスペース3が関与していることを見出した。以上、この初代培養用正常粘膜採取には、線維芽細胞混入を極力阻止するがため、粘膜下組織を可及的に切除する必要性があり、その際に、実体顕微鏡を利用している。また、正常組織等の手術標本を凍結保存するために、液体窒素タンクが必要であった。ラットにおいて化学発癌の実験においては、その開胸手術が必要となり小動物用ベンチレーターを購入した。さらに、発生における種々の検討を、当初、鶏卵を用いて行ったため、孵卵器が必要となった。
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