研究課題/領域番号 |
10470243
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
後藤 満一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50162160)
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研究分担者 |
星野 豊 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30295414)
吉野 泰啓 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50285045)
斎藤 拓郎 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20305361)
阿部 幹 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90212547)
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キーワード | 膵島移植 / 混合リンパ球反応 / 抗LFA-1抗体 / 抗ICAM-1抗体 / 抗B7-1抗体 / 抗B7-2抗体 / 生着延長効果 |
研究概要 |
本研究では抗原提示細胞とT細胞上に発現する接着分子の機能制御をおこなうことによって、免疫寛容が誘導できるかどうかをin vitro,in vivoの系において検討した。 BALB/c(H-2d)をstimulator、C57BL/6(H-2b)をresponderとしてMLRを行ない、また各々をドナー、レシピエントとし膵島移植をおこなった。抗LFA-1抗体(KBA)と抗ICAM-1抗体(YN/11,KAT)、あるいは抗B7-1抗体(RM80)と抗B7-2抗体(P0.3)の組み合わせにおいて各々の単独、あるいは併用効果を検討した。その結果、MLRの増殖反応は抗B7-1抗体、B7-2抗体単独では充分な抑制が得られなかったが、両者の併用により完全に抑制された。移植実験においては、抗B7-1抗体、抗B7-2抗体の2週間の単独隔日投与(0.1mg/day;ip)では生着延長効果はみられなかったが、併用投与により、対照群に比し有意な生着延長が見られた(19日->45日)。しかし抗体投与中止後すべてが拒絶された。一方、抗LFA-1抗体あるいは抗ICAM-1抗体は単独でMLR反応を完全に抑制した。移植実験においては、抗LFA-1抗体では移植直後及びその翌日の2日間投与により、約半数のレシピエントで100日以上の生着が得られた。抗ICAM-1抗体投与ではその効果は少なく、また両者の併用投与によってもさらなる生着延長効果はみられなかった。以上より、T細胞の活性化においてはB7-CD28/CTLA-4とICAM-1/LFA-1を介する副刺激の経路は存在するが、その副刺激遮断の効果はin vitroの系と生体内では異なることが明らかとなった。
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