研究課題/領域番号 |
10470248
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
相川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40110879)
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研究分担者 |
山崎 元靖 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00296716)
堀口 崇 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70245520)
木村 裕之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00225054)
藤島 清太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00173419)
篠沢 洋太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30129465)
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キーワード | サイトカイン / 体温 / TNFα / IL-6 / IL-8 |
研究概要 |
2年間にわたる研究の初年度として、我々はまず、救急傷病患者を対象として血液中のサイトカイン、可溶性接着分子を定量し、感染や体温などの生体環境との関係を検討した。対象者のうち明らかな感染を有する群では血液中のIL-6、IL-8の値が有意に高値を示した。次に体温と血中各種サイトカイン値との関係を検討したところ、体温はTNFα、IL-6、IL-8とのみ相関し、MCP-1、可溶性ICM-1分子とは相関を示さなかった。体温と相関関係にあったサイトカインのうち、TNFα、IL-6は個体の発熱に関与している可能性があるが、IL-8には直接発熱作用がなく、高温環境下で産生が冗進している可能性が考えられた。次に我々は、明らかな感染症を有さず入浴により高体温と意識障害を呈して救急搬送された患者2名の血液中サイトカインを経時的に定量した。両患者とも来院時血中IL-6、IL-8、IL-10が高値を示し、いずれも体温の正常化とともに低下した。これらの臨床で得られた知見をもとに、我々は現在未刺激および刺激末梢血細胞の各種サイトカイン産生への低温、高温環境の影響を検討中である。 また動物実験としては、本年度マウス熱傷モデルを作成し、血中サイトカイン値を検討した。1%熱傷単独でも血中や肺組織中のTNFαおよびヒトのIL-8に相当するMIP-2値が上昇したが、熱傷1週間後に少量の細菌内毒素を投与する感染合併モデルでは、血中、肺組織中のサイトカイン値が著明な高値をとった。これらのデータをもとに、次年度はマウスやラットの熱傷モデルの異なる温度環境下での反応性の違いを検討予定である。
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