研究課題/領域番号 |
10470248
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
相川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40110879)
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研究分担者 |
藤島 清太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00173419)
青木 克憲 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (20124927)
堀 進悟 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80129650)
関根 和彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90296715)
木村 裕之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00225054)
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キーワード | サイトカイン / 体温 / IL-8 / 全血培養 / 低体温 / 高体温 |
研究概要 |
昨年度高体温環境下におかれた患者の血中サイトカインインターロイキン(IL)-6,IL-8,IL-10値が高値を示すことを認めたため、本年は新たにセットアップした細胞培養装置を用いて、主にin vitroの細胞機能の環境温度による変化を検討した。生体内に近い状況と考え、全血培養を行うこととした。ヘパリン化末梢血を採取した後、培養液で希釈し、種々の温度環境下で振盪しながら培養した。細胞は24時間培養により未刺激でも少量のサイトカインを産生したが、高温環境下においても特にサイトカイン産生は刺激されなかった。次にエンドトキシン刺激に対する反応性を見たところ、予想に反しIL-8産生は高温環境下でむしろ抑制された。この効果は42度では著明に認められ、培養後には赤血球破壊を示す溶血も認めた。次に40度下での培養では、IL-8産生が有意に抑制されたが、溶血は認められなかった。38度の環境では、採血個体により反応性が異なり、抑制される場合とされない場合があった。高体温患者で血中サイトカイン値が高かった原因としては、血液以外の細胞からのサイトカインまたは同産生刺激物質の放出等が考えられた。また細胞形態に関しては、異なる温度環境下で観察したが上記温度変化では明らかな形態の変化を認めなかった。しかし細胞内蛋白の分布等は変化している可能性があり、今後の検討事項と考えられた。その他、今後種々の体温下にある患者の血液細胞機能の解析に備え、培養系細胞MonoMac6を用いて、細胞内Ca、膜タンパクをフローサイトメータで基礎的に検討した。
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