研究課題/領域番号 |
10470249
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松下 通明 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20250425)
|
研究分担者 |
大久保 尚 北海道大学, 医学部・附属病院, 医員
村林 俊 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30200306)
藤堂 省 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
蒲池 浩文 北海道大学, 医学部・附属病院, 医員
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
キーワード | 人工肝臓 / 人工血液 / 2チャンネル中空糸モジュール / ブタ / 混合肝細胞スフェロイド / PHP |
研究概要 |
ブタ肝臓混合スフェロイドを用いた人工肝臓モジュールを作製し、機能評価を行う事を目標に研究を進めた。 (1)ブタ混合スフェロイドの大量作製 細胞分散にキレート剤を使用しないと、非実質細胞率が増すが、細胞生存率・収量の低下を認めた。コラゲナーゼにディスパーゼを併用すると、単独より収量・生存率は増すが、スフェロイドの形成率はコラゲナーゼ単独よりも劣っていた。1(リットル)スピナーフラスコを用いたスフェロイド作製は細胞濃度が2.5×10^7cells/mlまで、可能であることが判明した。ブタ肝細胞スフェロイドの作製にはキレート剤を用いた前灌流および、コラゲナーゼ単独の酵素灌流にて細胞分散を行い、1リットルスピナーフラスコに2.5×10^9個の細胞を入れて作成する方法が適していることが判明した。 (2)人工血液の人工肝適用への基礎実験 人工血液の酸素供給能をvitroの実験系で測定したところ、赤血球と同等の酸素供給能を有していることが判明した。さらに肝細胞の酸素消費速度は人工血液を用いたものが高く、肝細胞を用いた人工肝臓に対する酸素供給の1手段になりうると考えられた。 (3)モジュールの作製および機能評価 すでに作製している2チャンネル中空糸モジュールには2gの肝細胞スフェロイドが充填可能であった。この一方のチャンネルに人工血液(Pyridoxalated-Hemoglobin-Polyoxyethylene conjugate:PHP)、他方に培地を灌流したところ、コントロール(7.4%/2hr)に比べてアンモニアクリアランスは高値(32%/2hr)であり、尿素の生成・アルブミンの生成も認められた。本モジュールでは、PHPが中空糸から漏出して、他方の回路へ移行してしまい、中空糸の膜素材を変更する必要があることが判明した。また、中空糸外腔に充填したスフェロイドは互いに癒合し、それとともに機能の低下を認めた。スフェロイドが互いに凝集しないように、コーティング・カプセル化などを行う必要性があり、今後の検討課題である。
|