研究課題/領域番号 |
10470257
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古谷 正晴 京都大学, 医学研究科, 助手 (50293858)
|
研究分担者 |
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
有井 滋樹 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50151171)
|
キーワード | Signal sequence trap / HME / MME / rho |
研究概要 |
1. 新しい癌の浸潤・転移関連分子のクローニング・同定。 膵癌細胞株よりRNAを抽出し、signal sequence trap変法によって作成したcDNA libraryをスクリーニングし、未知の分泌蛋白・膜蛋白を同定しようと試みた。その結果、neutrophil gelatinase-associated lipocalinが同定され、膵癌組織で発現していることを確認した。 2. 既知の癌の浸潤・転移関連分子の臨床的・生物学的意義の解明 human macrophage metalloelastase(HME)を、被験者の同意を得た上で、肝細胞癌臨床切除標本についてNorthern blot法にて検索し、予後及び臨床病理学的因子との関連を解析した。その結果、HME発現群で有意に予後良好という興味深い結果が得られた。murine macrophage metalloelastase(MME)遺伝子をmelanoma細胞に導入したところ、ヌードマウス皮下移植モデルで増殖の抑制と血管新生の抑制が確認された。 3. 癌の浸潤・転移関連分子の阻害剤を用いた癌治療法の確立 1) 抗細胞外マトリックス分解療法:MMP活性化阻害剤R94138 線維肉腫細胞株の脾注肝転移モデルにて有意な肝転移の抑制が認められた。 2) 抗細胞遊走療法:低分子量G蛋白質rhoのエフェクター分子であるp160ROCK阻害剤Y-27632を膵癌細胞株に作用させるとin vitroで遊走能の抑制効果が確認され、in vivoでは脾注肝転移モデルにで有意な抗転移効果が認められた。
|