• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

HGFアンタゴニストを用いた膵・胆道癌の浸潤・移転、腹膜播種に対する新しい治療

研究課題

研究課題/領域番号 10470259
研究種目

基盤研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

田中 雅夫  九州大学, 医学部, 教授 (30163570)

研究分担者 中村 敏一  大阪大学, 医学部, 教授 (00049397)
志村 英生  福岡大学, 医学部, 助教授 (80178996)
小川 尚洋  九州大学, 医学部, 助手 (90294933)
水元 一博  九州大学, 医学部, 助手 (90253418)
キーワードHGF / 膵癌 / 胆道癌 / 浸潤 / 転移 / 腹膜播種
研究概要

申請者らは膵癌の浸潤、転移を癌細胞が産生するHGF誘導因子ならびに間質由来のHGFをメディエーターとする癌-間質相互作用による癌悪性化機構を中心に解明し、それに基づきHGFアンタゴニストを用いた膵癌治療の基礎を確立することを目的として研究を進めてきた。
In vitro培養系において、HGFはほとんどの膵癌細胞に対し、in vitroにおける遊走、基底膜浸潤を強く促進した。HGFは一部の膵癌細胞に対して増殖促進作用も認めた。ほとんどの膵癌細胞はc-Metレセプターを発現したHGFのターゲットであることを確認した。そしてc-Metの発現の強度はin vitro培養系における膵癌細胞の遊走、浸潤に対するHGFの促進作用と相関していた。また、膵癌細胞培養上清を間質線維芽細胞培養系に添加すると、線維芽細胞のHGF産生量が増加した。一方、膵癌細胞自体は有意なHGF産生を認めなかった。膵癌細胞と線維芽細胞をco-cultureすると膵癌細胞単独培養群に比して膵癌細胞の遊走が著明に促進された。申請者らは膵癌細胞の浸潤、転移は癌-間質相互作用によって大きく影響されていることをin vitro培養系にて見いだした。
HGFアンタゴニスト(NK4)はin vitro培養系でHGFによって促進された膵癌細胞の遊走、基底膜浸潤をほぼ完全に阻害した。また、HGFによる膵癌細胞の増殖促進はNK4の添加で阻止された。NK4がin vivoにおいて種々の癌の浸潤、転移を抑制し、さらに血管新生阻害因子として腫瘍血管新生を抑制することは最近明らかにされており、今後、in vivoの膵癌モデルにてNK4の浸潤、転移、腫瘍血管新生に対する抑制効果について解析していく予定である。そして、in vivo実験動物レベルでのHGFアンタゴニスト遺伝子治療法を確立する予定である。

URL: 

公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi