研究分担者 |
中森 幹人 和歌山県立医科大学, 医学部, 大学院生
角田 卓也 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (30275359)
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70244738)
谷村 弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10026990)
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研究概要 |
平成10年度の研究から,以下の実績を得た. 1. 組み換えadenoviralvector(Ad)の作成 murineIL-2cDNAもしくはE.coli由来cytosine deaminase(CD)cDNAをそれぞれcodingするplasmidから制限酵素で切り出したプロモーター+目的遺伝子(IL-2cDNAまたはCD cDNA)+polyA配列の部分をadenovirus5型ゲノムのほぼ全長を含む発現cosmidに組み込んだ後,COS-TPC法により組み換えadenoviralvector,AdmIL-2,AdCDを作成できた. さらに,CsClを用いた2段階濃縮法を用いて,それぞれのAdの感染力価を10^<11>Pfu/mlにまで高めることができた. 2. 組み換えadenoviral vectorのin vitroでの発現 大腸癌細胞株CT26にAdmIL-2を感染させた結果,MOI(重複感染率)依存性にIL-2を産生し,MOIが1でも2.55ng/mlの産生を得ることができた.また,AdmIL-2とAdCDを重複感染させてもIL-2の産生に影饗を及ぼすことはなかった. AdCD導入CT26細胞は250μg/mlの濃度の抗真菌薬5-fluorocytosine(5-FC)存在下にて,MOI 10でも有意に細胞増殖の抑制効果を示し,その効果はMOI依存性に増加した. さらに,AdCD導入CT26と親株CT26細胞の混合培養にて,遺伝子導入細胞が20%存在するだけで有意なbystander effectを示し,dual chamberを用いた細胞接触の条件でも,親株CT26細胞の増殖を抑制するneighborcellkilling effectを示すことが判明した. 以上の研究実績は当該年度予定を達成している.
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