研究概要 |
平成11年度の研究から以下の実績を得た。 マウス大腸癌細胞株CT26を用いて作成した同系マウスの皮下腫瘍に直接,以下に分類した治療プロトコール(各群10匹)に基づいて昨年度に研究から得られたadenoviral vectorを注入し、翌日から生存期間を観察した。Group1:AdCD(2×10^8pfu),Group2:AdCD(2×10^8pfu)+AdmIL-2(5×10^5pfu),Group3:AdCD(2×10^8pfu)+AdmIL-2(1×10^6pfu),Group4:AdCD(2×10^8pfu)+AdmIL-2(2.5×10^7pfu),Group5:AdCD(2×10^8pfu)+AdmIL-2(2×10^8pfu) すべての群に対して5-Fluorocytosine(5-FC)500mg/kg/bodyを7日間連続で腹腔内投与すると、Group4とGrpup5のマウスは最終的には全て腫瘍死した.low doseのAdmIL-2(5×10^5pfu)の併用では生存期間の延長には寄与したが、その効果は一過性であった.それとは異なり、1×10^6pfuのAdmIL-2を併用した治療群はAdCDと5-FCの治療単独群よりの有意に生存期間の延長効果を認め、40%のマウスで腫瘍からの寛解を得ることができた。さらに治療14日目に,腫瘍を拒絶したマウスの対側皮下に致死量の親株CT26を再接種しても腫瘍の形成を完全に抑制できた。さらに細胞傷害性T細胞誘導能における比較をすることで生存期間の延長に抗腫瘍免疫応答が関与しているか否かを親株腫瘍細胞に対する細胞傷害性T細胞活性を^<51>Cr release assayで検討した結果,1×10^6pfuのAdmIL-2を併用した治療群から誘導した脾細胞は,親株腫瘍細胞に対して他の投与量に比べて細胞傷害活性が高く,生存率とよく相関していることが判明した。以上の研究実績は当該年度予定を達成している。
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