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1998 年度 実績報告書

摘出保存肺の内皮細胞傷害における接着分子細胞骨格・シグナル伝達経路に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10470268
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

谷田 達男  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (20217144)

研究分担者 藤村 重文  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40006078)
小野 貞文  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (80250827)
キーワード内皮細胞 / 接着分子 / 細胞骨格 / シグナル伝達経路 / ICAM-1
研究概要

ラット摘出還流肺における濾過係数の測定法を用い、潅流液中に接着分子発現を規定しているシグナル伝達経路の阻害剤を加え,肺血管透過性の変化を測定した。この実験では好中球に機械的刺激を与え、細胞表面に糖蛋白からなる接着分子を表出させ、肺血管内皮細胞に接着させることにより血管内皮細胞の反応性変化を計測した。活性化好中球は摘出肺に注入されることで肺血管内皮細胞に接着し、肺微小血管透過性を亢進した。更にこの現象の最中にプロテインキナーゼC(PKC)の阻害剤を投与した。この実験で、血管内皮細胞の透過性亢進が抑制されることを確認した。さらに、PKCを直接活性化するPKCを投与することにより肺血管内皮細胞の透過性が亢進した。以上から好中球の活性化が細胞表面に糖蛋白を表出させ、それが引き金となって肺血管内皮細胞の透過性亢進を生じたと考えられた。この好中球の変化で最も重要な働きを持つと考えられるアクチンの重合変化を検討するために、FITC標識をしたファロイジンを用いて染色し、その変化を落射蛍光顕微鏡を用いて計測する予定である。
一方、細胞遊走の計測が可能な内皮細胞培養システム、および遊走の計測法の確立を企図して、基本的な設備のセットアップ構築中である。今後、血管内皮細胞の培養システムを用い、内皮細胞・好中球上の接着分子の発現を測定する予定である。また、内皮細胞上に存在する接着分子のリガンド、特にICAM-1が細胞内にシグナルを伝達することに関し、チロシンキナーゼの関与、またはG蛋白の関与が予測される。また、好中球の放出するカテプシンG等のセリンプロテアーゼ群の関与に関しても検討を加える予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 久保 裕司: "CD18依存性・非依存性の好中球遊走における細胞内情報伝達物質NFKBの関与" Therapeutic Research. 19(4). 18-21 (1998)

  • [文献書誌] 谷田達男: "好中球の接着能亢進による肺血管透過性亢進と活性酸素種の関与" 日本呼吸器学会雑誌. 36(2). 144-149 (1998)

  • [文献書誌] 田畑 俊治: "モノクロタリン肺高血圧の発症機序における好中球の関与" 呼吸. 16(9). 1326-1332 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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