研究課題/領域番号 |
10470271
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
島崎 靖久 山形大学, 医学部, 教授 (60116043)
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研究分担者 |
渡辺 隆夫 山形大学, 医学部, 助教授 (60138922)
乾 清重 山形大学, 医学部, 助手 (70250941)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 遺伝子治療 / 細胞移植 / マルファン症候群 / 大動脈 |
研究概要 |
本実験では遺伝子導入細胞の細胞移植が移植大動脈組織に生着し、その局所において導入遺伝子から目的蛋白質が生成され周囲組織に分泌された後、周囲組織を改変しうる可能性があるか否か検討した。15kgの雑種成犬を全身麻酔気管内挿管下に左開胸し、500000個/100microlitterの遺伝子導入細胞浮遊液を29G針を用いて注入移植した。移植1週間後に犠牲死させ、ホルマリン固定の後、X-Gal染色を行った。肉眼的にX-Gal染色で大動脈は1/3周に渡り陽性に青く染色された。大動脈断面での観察では、X-Gal染色陽性部位は主に外膜であり、内膜、中膜にはではほとんど肉眼的に認められなかった。しかし針刺入部では全層にわたるX-Gal染色陽性所見が認められた。組織学的には大動脈外膜と中膜との境界部に多く移植細胞が存在し、一部は外膜内にも存在した。外膜は全体的にX-Galによる緑色色素が分布していた。針刺入という方法での遺伝子導入法は血管に対する物理的損傷や移植細胞の存在部位が中膜内に僅かしか移植できなかったなど、解決すべき問題は多い手法であるが、従来ない高効率の遺伝子導入法として今後マルファン症候群の大血管病変に対する遺伝子治療研究における有用研究手段として位置づけられるものと考えられた。
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