研究課題/領域番号 |
10470273
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
澤 芳樹 大阪大学, 医学部, 講師 (00243220)
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研究分担者 |
金田 安史 大阪大学, 医学部, 教授 (10177537)
西村 元延 大阪大学, 医学部, 助手 (90291442)
福嶌 教偉 大阪大学, 医学部, 助手 (30263247)
大竹 重彰 大阪大学, 医学部, 講師 (50243209)
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キーワード | 遺伝子導入 / 心不全 / β adrenergic receptor / HVJリポソーム法 |
研究概要 |
経静脈的遺伝子導入による遺伝子治療の基礎実験として,ラット心不全モデルを用いて冠動脈よりの注入による遺伝子治療を試みた。 Sprague-Dawleyラットを麻酔下に開腹し、下行大動脈を露出し、腹腔動脈直下でbandingして容圧負荷モデルを作成した。5週間後に、そのラット心に心筋保護液を注入し、心停止とした後、心臓摘出を施行した。肥大した心筋に大動脈経由で冠動脈にβ2adrenergic receptorのcDNAをHVJリポソーム法により注入、遺伝子導入を施行した。遺伝子導入した心臓は、同系ラットに移植した。遺伝子導入4日目に心臓を摘出し、免疫組織染色による導入遺伝子の発現確認及びLangendorff潅流による心機能評価を施行した。免疫染色によるIigand binding assayにより遺伝子導入心筋ではβreceptorの発現が多く認められた。心機能においては、isoproterenolへの反応は遺伝子導入群においてcontrol群に比し、有意に収縮能の向上を認めた。以上から、心不全心への遺伝子導入の効果が示された。本実験では、心臓摘出後に冠動脈経由で遺伝子導入を施行しているが、大動物においては、経皮的冠動脈口または、冠静脈洞からの注入が可能と思われる。臨床現場においては、すでにHeart Port Accessによる開心術が施行されており、大腿動静脈からの遺伝子導入が可能であると思われる。
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