研究課題
平成11年度、「実時間で立体視可能な超音波映像法の支援による心臓手術の精度向上に関する研究」において以下の研究成果が得られた。1.実時間三次元超音波映像システムの開発平成11年度においてシステム開発上の主な成果は、心臓立体像の動画のフレームレートを8フレームに増加させたことである。即ち、高速の画像処理のために主システムとしてアロカSSD-5500型を利用し、digital parallel processingを導入してこれを実現し、著しく動画質の向上を得た。今後毎秒16フレームまでフレーム数を増加するのは容易である。2.実時間三次元超音波映像システムの臨床応用平成11年度に、実時間心臓立体像のフレーム数を毎秒8フレームに増加させ24例の臨床例で性能評価を行なった。毎秒5フレームと比較してその動画質は著しく向上した。24例の臨床例の内訳は正常例10例、僧帽弁狭窄症6例、僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症4例、僧帽弁逸脱症候群4例であった。トランスジューサの消毒の制限から、経胸壁的にのみ映像された。正常例の10例すべてにおいて左室腔あるいは僧帽弁の立体視が可能であった。僧帽弁疾患14例のうち、11例で正しく病変を立体視した。病変を描写し得なかった症例では、超音波ビームの進入が妨げられた。今後術中開胸下で本法を使用となり、心臓手術の支援が実用的に可能であることが示唆された。
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