研究課題/領域番号 |
10470279
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
今井 康晴 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30075246)
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研究分担者 |
安藤 誠 東京女子医科大学, 医学部, 助手
青木 満 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80175736)
高梨 吉則 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70075505)
松岡 瑠美子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50120051)
新岡 俊治 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20192122)
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キーワード | ティッシュエンジニアリング / 組織工学 / 細胞培養 / 自家移植 / 再生医工学 / 心臓弁 / 再生血管 |
研究概要 |
実験動物として子犬を用い、大腿静脈を清潔化に採取し自己細胞の起源とした。通常の細胞培養手法を用いて単離された細胞の大量生産を行った。十分な細胞数を得た後、生分解性ポリマーにin vitroで播種し吸収性ポリマー上での培養を約一週間継続した。その後、細胞を採取した同一の動物に対して移植手術を行った。移植前日こポリマー上の細胞に対して蛍光色素を用いた細胞の追跡用マーキングを行い播種された細胞と自己細胞との鑑別を試みている。移植3-12ヶ月後に作成された組織に対して生化学的、生力学的、免疫組織学的検討を行う予定である。生化学検査として、組織中コラーゲン、エラスチン、カルシウム濃度の測定を行い、インストロン張力検査機を用いて作成された組織の最大張力を測定し自己の同じ部位の組織と比較検討する。組織学的には免疫染色の手法を用いて内皮細胞の指標である第八因子を染色すると共に細胞間隙の間質蛋白質を染色し自己組織と比較検討する。実験モデルとして下大静脈置換モデル、肺動脈置換モデルを使用し、人工心肺による体外循環下に実験を行った。 同時にヒト細胞の挙動の研究も行った。ヒト静脈細胞を同意のもとに採取した。細胞の生分解性ポリマーへの接着性の実験を行い、至適なポリマーの選定を行った。これらの結果を基礎として、女子医大倫理委員会承認下に臨床応用を開始した。(2000年5月)患児のご家族の同意のもと良好な結果を得た。移植する組織の細胞は全て自己(autologous)細胞を用いているため、術後の拒絶反応を考慮する必要がなく、最終的に異物が残存しないため、成長の可能性が高い組織が作成できると考えられる。
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