研究分担者 |
宮武 邦夫 国立循環器病センター病院, 心臓内科, 部長
駒村 和雄 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (90311448)
笹子 佳門 国立循環器病センター病院, 心臓外科, 医長
北村 惣一郎 国立循環器病センター病院, 副院長
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 副所長 (60028595)
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研究概要 |
心臓移植の適応と考えられる心筋症26例(拡張型心筋症24例,虚血性心筋症2例,8〜63(平均37)歳)に対し,内科的治療の限界と判断された段階で左心補助人工心臓(LVAS)を適用した.用いたLVASは,国循型体外設置型で初期14例は左房脱血方式(LA)を,また最近の12例に対しては左室脱血方式(LV)を用い,血液ポンプを体外に設置した.補助期間は施行中の11例を含め6〜475(平均150)日であった.全身状態の改善後,積極的にリハビリを行った.また,βブロッカー,ACE阻害剤などの薬物治療を併用した.自己心機能は,適宜心エコー法により検討し,回復を認める症例では離脱を試みた.全例LVAS装着後,循環動態は安定した.LA14例のうち3例は著明な心機能の改善を認め,3〜5ヶ月の補助後離脱し,離脱後1.5〜5.8年後の現在外来にて加療中である.これら3例は17〜25歳と若年者であった.2例(49,63歳)では感染および脳出血のため離脱したが,カテコラミン離脱可能なまでの心機能を示したが,2および3ヶ月後に感染症にて死亡した.また,1例(43歳)は39日の補助後心臓移植が行われたが自己心には回復傾向は認めなかった.LV12例中3例で自己心の回復傾向を認めたが,離脱可能なまでの心機能の回復は認めていない.現在,LA,LVの脱血部位の差による心機能への影響を含め自己心回復の可能性について検討を進めている.
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