研究課題/領域番号 |
10470292
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大本 堯史 岡山大学, 医学部, 教授 (60032900)
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研究分担者 |
小野 恭裕 岡山大学, 医学部, 助手 (40294409)
富田 享 岡山大学, 医学部, 助手 (90237115)
伊達 勲 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (70236785)
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キーワード | GDNF / パーキンソン病 / ドパミン / 遺伝子 |
研究概要 |
パーキンソン病に対する新しい治療法の一つとして、神経栄養因子の遺伝子を線条体に導入する方法が報告されている。我々は、ドパミン神経系に対する強力な神経栄養作用を持つglial cell line-derived neurotrophic factor(GDNF)に注目し、その遺伝子を線条体に前もって導入することによって、その後にドパミン神経系に対する神経毒である、6-hydroxydopamine(6-OHDA)を線条体に注入しても、宿主の黒質線条体ドパミン系が保護されることをこれまでに報告してきた。今回は、この実験系をさらに発展させるため、まず6-OHDAでドパミン神経を破壊しておき、その後にGDNF遺伝子を導入することによって、ドパミン神経に対する再生作用を誘導できるかどうかについて検討した。 パーキンソン病モデルラットは、6-OHDAを右線条体内に注入することによって作製した。GDNF遺伝子を組み込んだプラスミドベクターと陽性荷電リポソームを混合して複合体を形成させ、体内埋め込み型浸透圧ポンプを用いてパーキンソン病モデルラット作製2週間後から右線条体に1週間の持続注入を行った。 GDNF遺伝子を導入しなかった宿主では、apomorphine誘発の回転運動が持続した。GDNF遺伝子を導入した宿主では、apomorphine誘発の回転運動が40%程度減少した。組織学的検討では、GDNF遺伝子を導入した宿主の線条体と黒質において、ドパミンニューロンのより顕著な回復がみられた。以上の観察から、GDNF遺伝子導入法は、ドパミン神経系に対して保護効果に加えて、その再生効果も発揮することが明らかとなった。次年度は、GDNF遺伝子導入法の長期効果について、ドパミン神経系に対する保護効果と再生効果の両面から検討し、本法の臨床応用への可能性を探る。
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