研究課題/領域番号 |
10470293
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
有田 和徳 広島大学, 医学部, 助教授 (90212646)
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研究分担者 |
平家 勇司 国立病院, 四国がんセンター, 厚生技官(研究職)
川口 三郎 京都大学, 大学院医学研究科, 教授 (70024635)
富永 篤 広島大学, 医学部, 助手 (60274049)
栗栖 薫 広島大学, 医学部, 教授 (70201473)
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キーワード | ラット / アデノウイルスベクター / 神経再生 / 脊髄損傷モデル / 神経栄養因子 |
研究概要 |
本研究のデータをとるにあたり、まず1,ラット脊髄損傷モデルの作製、2,作製したアデノウイルスベクターの濃縮・精製、3,アデノウイルス感染による目的遺伝子の発現部位・量・期間を決定する必要がる。 平成10年度科学研究費にて購入したオリンパス製手術用顕微鏡によって、ラット脊髄損傷モデルを作成することが可能となった。そして同時期に購入した超遠心機によって、アデノウイルスベクターを生体内投与できるよう濃縮精製を行うことが可能になったことを確認した。これを受けて、Lacz発現アデノウイルスベクターを感染させることによって、今回使用予定のCAGプロモーター発現アデノウイルスベクターの感染・発現効率ならびに至適感染効率の決定を現在行っている。ラット脊髄損傷モデルは、まずナイフによる鋭利な切断のみを用いる。そして、Lacz発現アデノウイルスベクターは切断面、切断部よりも頭似及び尾側の3種に分けて投与を行い、その発現が、投与局所なのか、あるいは神経細胞体までも上行性に発現が及ぶのかを、脳・脊髄を一塊に摘出してβ-Galにて染色して確認する。 脊髄の損傷部位に関しては、早期より各種炎症細胞浸潤が励起され、小血管新生が引き起こされ、結果として神経再生が阻害されることも示唆される。この様な機序解明にも繁がると考えられることから、M-CSF遺伝子投与による生体内への影響をin vivoで検討した論文、ならびに血管新生を引き起こすVEGFの生体内における機序を検討した論文作製にも今回の科学研究費を使用した。 今年度では、主に設備を充実させえることが可能になり、アデノウイルスベクター感染の生体内での発現を確認するところまで可能となった。 次年度は、さらに神経栄養因子発現アデノウイルスベクターを作製し、その効果について検討する予定である。
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