研究概要 |
臨床研究 a) パーキンソン病における、すくみ足歩行に対し、淡蒼球の高頻度電気刺激を行い,その最適刺激部位が、従来行われている後腹側部ではなく、淡蒼球内節中背側部であることを明らかにした。 b) 重症パーキンソン病63例に対し、視床下核の電気刺激療法を行い、最適刺激部位、条件、手術効果の特性を明らかにした。 c) 視床下核刺激で有効な効果を得るためには、一側刺激だけでは不十分な症例が多く、対側淡蒼球または視床下核に電気刺激療法または凝固手術が必要なことが明らかになった。 術中微小電極記録 淡蒼球内節および外節、視床下核における神経活動の記録中にレボドパ(lmg/kg,I.v.)を投与し背景活動に与える影響を検索した。淡蒼球内節では、投与後10分から背景活動が30-40%減少したが、淡蒼球外節、視床下核では変化がみられなかった。従って、本症では線条体-淡蒼球間接路系がレボドパで反応しにくく、視床下核の外科治療の重要性を示唆する所見を得た。 機能画像による解析 淡蒼球内節、または視床下核刺激について、SPECTにより脳局所血流を計測した。淡蒼球内節刺激では、両側補足運動野領域の局所潅流が選択的に増加するのに対し、視床下核刺激では両側、前頭前野、前頭葉内側、レンズ核、視床など広範囲に局所潅流が増加した。
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