研究課題/領域番号 |
10470301
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 (2000) 群馬大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
井ノ上 逸朗 東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (00192500)
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研究分担者 |
武田 純 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (40270855)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 後縦靭帯骨化症 / 多因子疾患 / 連鎖解析 / 疾患遺伝子 / マイクロサテライト / haplotype analysis / cDNA microarray |
研究概要 |
後縦靭帯骨化症(OPLL)はその名のとおり後縦靭帯の異所性骨化を認める疾患で、さまざまな脊髄神経圧迫症状を呈する。OPLLは頻度の高い疾患であり、30歳以上の3-4%が発症する。OPLLは高齢発症であるにもかかわらず、その成因には遺伝要因が強く関与している。OPLL羅患同胞対においてHLAハプロタイプを共有することが知られていた。そこでHLA領域にOPLL責任遺伝子が存在すると予想され、HLA領域の羅患同胞対連鎖解析をおこなった。比較的強い連鎖を認め、領域に存在するコラーゲン11A2遺伝子を候補と予想した。コラーゲン11A2遺伝子のSNP解析により、イントロン6に存在するSNP(intron 6(-4A))がOPLLに関連していることを示すことができた。かつこの多型はスプライシングに影響を与える機能的多型であることを示すこともできた。しかしながら、OPLLは多因子疾患であり、他の遺伝子の関与が当然予想される。我々はOPLLに関連する遺伝子すべてを明らかにする目的で、羅患同胞対連鎖解析法によるゲノム全域スクリーニングをおこなった。ゲノム全域での400遺伝マーカーの解析により、5ヶ所の領域で連鎖を認めることができた。その中で、D21S263(P=0.00008,LOD=3.4)をピークとした21番染色体10センチモルガンで強い連鎖を認めた。羅患同胞対連鎖解析法では疾患遺伝子座のピンポイントに限界があり、これ以上の絞り込みは不可能と考えられた。そこで、ケースコントロールスタディによる疾患遺伝子同定を目指した。この領域の全ゲノム配列は最近榊、清水グループから発表されている。多型マーカーの中でマイクロサテライトはゲノム配列から直接検索できる利点がある。領域のマイクロサテライトを検索し、ケースコントロールスタディによる遺伝子座の絞り込みを試みた。2塩基リピートが10回以下のマイクロサテライトは多型性がまったくないことが多かったので、リピートが10回以上のマイクロサテライトを選別している。D21S263からテロメア側の10Mbにわたり計100個のマイクロサテライトを用い、患者200例、対照(非OPLL)200例でアレル頻度を比較した。結果、いくつかのマーカーで有意な差を認めた。特に、AML遺伝子領域の連続したマイクロサテライトで有意な関連を得、もっとも強い有意差(P=0.003)をAML遺伝子上流に存在するマイクロサテライトで得ることができた。
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