研究課題
研究の目的は、平衡機能が転倒に及ぼす影響と転倒による骨折のリスクファクターの検討である。さらに脂肪・筋肉等の軟部組織量と高齢者の骨折について検討し、大腿骨筋肉量が高齢者の転倒のリスクファクターであるかを調査することである。また転倒時の筋肉、脂肪等の軟部組織による衝撃吸収機能が、転倒に伴う骨折にどれほど関与するかを調査することである。平成10年と同様に研究対象は北海道八雲町住民約18000人のうち1982年から17年間定期に住民検診を受け内科的・疫学的データが整っている約5000人をコホートを対象とした。1997年を高齢者運動器疾患の骨粗鬆症と関節症のコホートによる総合的研究の開始年とし、今後現在の検診方法をprospectiveな検討を2001年までの4年間続け5年間の身体所見、生活習慣などを過去3年間の血液生化学データーと15年、10年、5年前の身体所見をはじめとした内科的データ合わせて総合的に解析する。研究対象は40歳以上の全ての受診者とする。第1のテーマである骨粗鬆症と転倒に対する研究ではend pointを骨折とする。椎体骨折、コレス骨折、上腕骨頚部骨折、大腿骨近位部骨折、その他を検討する。第2のテーマは高齢者の関節症変化とくに膝関節症および腰痛の整形外科診断と疫学的研究をおこなう。検討項目は1)アンケート、2)転倒手帳を作成し転倒の記録、3)身体所見、4)整形外科疾患の問診、5)体力検査、6)骨密度、7)腰椎側面臥位X線像、膝関節立位45度屈曲立位撮影、8)血液検査、9)尿検査、10)筋力評価、11)平衡機能検査、12)軟部組織量評価、13)下肢サーモグラフィーである。結果として転倒と運動器疾患が密接に関連していることを見いだした。腰痛と腰椎レントゲン像の関係について有意な所見を見いだした。膝関節症のレントゲン診断について新しく分類した。
すべて その他
すべて 文献書誌 (1件)