研究課題/領域番号 |
10470311
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
中永 士師明 秋田大学, 医学部, 助手 (10254781)
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研究分担者 |
稲葉 英夫 金沢大学, 医学部, 教授 (60159952)
田中 博之 秋田大学, 医学部, 助教授 (90266297)
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キーワード | ヘムオキシゲナーゼ / エンドトキシン / サイトカイン / プロカルチトニン / 敗血症 / 熱傷 / 一酸化窒素 |
研究概要 |
ヘムオキシゲナーゼ(HO-1)はストレス反応性蛋白であり、基質のみならず、重金属、エンドトキシン、heat shock、炎症性サイトカイン、ホルモン等によっても誘導される。HO-1はヘムとヘム蛋白代謝において重要な役割を演じているばかりか、この蛋白によりヘムから産生された一酸化炭素は、一酸化窒素と同様にグアニールサイクラーゼを介してcyclicGMP濃度を調節し、血管のトーヌスを調整している。この血管のトーヌス調節は、組織における酸素運搬や微小循環の維持に必要である。また、HO-1は抗オキシダント酵素としての機能も有し、オキシダントによる細胞障害がHO-1により抑制されることが報告されている。さらに、HO-1 mRNAの発現を誘導しておくと、エンドトキシン投与後の死亡率が低下したとの報告もある。 今回、熱傷ラットから肺、肝臓を摘出し、免疫組織学的検討を加えた。組織学的には、肺では、肺胞壁、気管支壁、肺胞マクロファージにHO-1 mRNAが局在していると言われているが、我々の検討で、熱傷ラットでは肺および肝の血管周囲の細胞にHO-1が発現していることが判明した。また、わずかではあるが、肝実質細胞にも発現していることが示された。これまでに熱傷での報告はなく、我々が先駆的役割を果たしたといえよう。現在、さらにHO-1の競合的阻害剤であるzink protoporphyrinを皮下注射し、HO-1の発現を抑制した群を設定し、敗血症モデルも作成して追試を行っている。
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