研究概要 |
250〜300gの雄のSprague-Dawley系ラットを用い,GOI麻酔下にて,気管切開,総頚動静脈カニュレーションの後,頭蓋内容を吸引して除脳した.第1,2腰椎間で脊髄を横断し,腰部椎弓切除術を行い,人工呼吸にて一般状態を生理学的正常範囲内に維持した.微小電極を第7腰髄内に細胞活動のmodalityを確かめつつ,マイクロドライバーを用いて挿入し,脊髄後角第5層型単一細胞活動を細胞外微小電極誘導記録法において測定観察した. 自発発射数,及び疼痛定量刺激装置による誘発発射数の対照値を測定した後,微小電極挿入付近の脊髄表面にカルシウム拮抗薬の滴下を行い,5分毎に自発発射及び誘発発射の変化を測定した. その結果、自発発射数及び誘発発射数共に,カルシウム拮抗薬の投与5分後より減少を示し、20分〜30分後に最大の抑制率を示した。しかし、その効果には限度があった. 以上の結果より、カルシウム拮抗薬は脊髄後角第5層型単一細胞活動を軽度抑制するものと考えられる. 今後はやクロニジンの滴下,一酸化窒素の曝露を行い,各種血管作動薬の脊髄後角第5層型単一細胞活動に及ぼす影響を検討する.更に,microdyalisisを用いて脊髄内濃度も測定する予定である.
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