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1999 年度 実績報告書

疼痛制御機構における中枢神経細胞Ca^<2+>チャネルサブタイプの役割解明とその意義

研究課題

研究課題/領域番号 10470326
研究機関東京医科大学

研究代表者

一色 淳  東京医科大学, 医学部, 教授 (60074796)

研究分担者 荻原 幸彦  東京医科大学, 医学部, 講師 (40224141)
近江 明文  東京医科大学, 医学部, 講師 (70246221)
渡辺 泰雄  東京医科大学, 医学部, 助教授 (70183720)
キーワードCa^<2+> / L型Ca^<2+>チャネル / T型Ca^<2+>チャネル / 疼痛 / flinching / 腰髄神経
研究概要

本研究は細胞内へのCa^<2+>流入に多大な影響を及ぼしている電位依存性Ca^<2+>チャネルのサブタイプの中でも、特にシナプス後神経細胞に存在するTおよびL型Ca^<2+>チャネルの関連薬物を投与してフォルマリン誘発二次性疼痛におけるTおよびL型Ca^<2+>チャネルの局在ならびに役割について明確にした。結果として,二種類のL型Ca拮抗薬の脊髄内投与はフォルマリン誘発二次性疼痛を用量依存的に抑制した。一方、L型Ca^<2+>チャネル活性薬はflinchingを基盤とした疼痛反応に対して用量による反応の相違が認められた。この結果は、Ca^<2+>チャネル活性薬の細胞内へのCa^<2+>過剰流入によって誘発されるフィードバック機構によるものと考えられる。すなわち、Ca^<2+>チャネルを介して細胞内へCa^<2+>の一次的な過剰流入が生じるとイオンチャネルに隣接した燐酸化酵素によってチャネル活性が抑制され、さらに、細胞膜に存在するポンプによって細胞内Ca^<2+>は細胞外や細胞内貯蔵部位へ搬出される結果、Ca^<2+>カスケードは抑制的に働き疼痛反応は低下する。LおよびT型Ca拮抗薬であるフルナリジンにおいてはT型Ca^<2+>チャネルを選択的に阻害する用量で著明な疼痛反応の抑制が認められた。c-fosの結果とflinchingを基盤とした疼痛反応の成績をまとめると、特異的L型Ca拮抗薬はflinching反応に抑制的であったがc-fosの発現に対しては何ら影響を及ぼさない、しかし、T型Ca拮抗薬はflinching反応のみならずc-fosの発現に対しても抑制的に作用することが明らかとなった。本研究で得られた成績を要約すると、腰髄神経系のT型やL型Ca^<2+>チャネルに関連する薬物は疼痛制御系において異なる作用点で神経細胞内Ca^<2+>変動に影響を及ぼし鎮痛効果を惹起する。さらに、持続性疼痛発現機序を考慮すると神経細胞内Ca^<2+>の変動は細胞内情報系に重要な影響を及ぼすことから、これら調節機構に作用点を有する薬物は術後痛を緩和すると考えられている局所麻酔薬やクロニジン等と併用することで薬用量の減量、および、副作用の軽減が可能となるものと思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 太田隆史 他: "細胞内Ca調節薬のフォルマリン誘発2次性疼痛反応に及ぼす影響"ペインクリニック. 20. 636-642 (1999)

  • [文献書誌] M.Okita et al: "Presynapticl-typeCa^<2+>channel on dopamine excessive from rat coudate pitome."Physiol & Behan. in press. (2000)

  • [文献書誌] K.Taya et al: "Appearence of high sensitive cells to L-type Caantagonist in Hared cerebellar groaule cells"Japan J Neuropyschophavmeal. 19. 133-139 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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