研究概要 |
1、腎がん患者における副腎転移、手術時副腎摘出の意義 当科で治療した腎癌の副腎転移例12例を検討した。副腎転移とGrade、T分類、腫瘍の局在様式に関連が認められなかったことより、副腎組織に特異的に転移するメカニズムの存在が示唆された。(投稿中) 2、ガラクトシール糖鎖抗原の発現系の違うヒト腎癌由来細胞株の樹立 当科で根治的腎摘出術を行った症例の胃癌組織よりmonosialosyl galactosyl globoside(MSGG),disialosyl galactosylgloboside(DSGG)の発現形の違う4株を樹立した。(Tohoku J Exp Medicine.,1999,189,95-105) 3、ヒト肺がん由来細胞、ヒト胃癌由来細胞株の表面糖鎖抗原の解析 FACS,TLC immunostainingでヒト肺腺ガン由来細胞、胃癌細胞にDSGG,MSGGの発現を認めた。(投稿準備中) 4、ヒト正常副腎凍結切片を用いたヒト肺がん細胞、ヒト腎癌由来細胞とのStamper-Woodruff adhesion assay.,接着抑制実験 ヒト肺がん由来細胞、腎癌由来細胞はDSGG dependentに副腎髄質細胞と強い接着性を示した. 5、腎癌細胞におけるガラクトシールグロボシド抗原の存在様式に関する検討 腎癌細胞に発現するDSGGはglycolipid enriched microdamainとして存在し、シグナリングに大きく関与していることが示唆された。(Int J Oncol 2000,in print) 6、癌細胞に発現するガラクトシールグロボシド抗原に対するリガンドの正常解析 ヒト肺CDNAライブラリーを用いて、Expression Cloning法でDSGGのリガンドを現在クローニング中である.
|