研究概要 |
bcl-2アンチセンスオリゴヌクレオチドのbcl-2発現に対する効果の検討 1.腎細胞癌細胞株での検討 転写開始コドンから20塩基にたいするS化アンチセンスオリゴヌクレオチドを bcl-2 高発現株のKRC/Y,bcl-2中等度発現株ACHNにたいし、種々の濃度で作用させ、イムノブロット法でbcl-2発現の程度を検討した。他癌種の細胞株でbcl-2発現抑制に効果的であった。20uMの濃度でもbcl-2の発現に変化はみられなかった。さらに,ACHNでこのアドリママイシンの殺細胞増強効果を検討したところアンチセンスのみならず,センスオリゴヌクレオチド単独でも殺細胞効果が見られた.ACHNでは非特異的反応が見られたと考えられる。 2.膀胱癌細胞株での検討 (1)膀胱癌細胞株での検討 bcl-2高発現細胞株であるT24について検討した。この結果、ASODNの濃度依存性にbcl-2発現の抑制が見られた。 (2)bcl-2の発現抑制とアドリアマイシン(ADR)によるアポトーシス T24細胞を血清非添加に培養したところ、ASODN添加細胞で軽度の増殖抑制とアポトーシスが観察された。ASODNとADRの双方を作用させたところ,T24のアポトーシスは著名に増強された。
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