研究概要 |
1.腎癌細胞株および膀胱癌細胞株でのbcl-2の発現の検討 (1)腎癌細胞株での発現 RT-PCRおよびイムノブッロトで検討した7種の細胞株でmRNAレベル、蛋白レベルともに高度の発現が見られた。この中で、ACHNは比較的中程度の発現であった。 (2)膀胱癌細胞株での発現 同様に検討したところ、mRNAはすべてで発現が見られ、蛋白はRT-4では低発現、他の3種類では高発現であった。 2.bcl-2アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASODN)のbcl-2発現に対する効果の検討 (1)腎細胞癌細胞株での検討 ASODNをACHN,KRC/Yに対し作用させ、bcl-2発現の程度を検討したが,他癌種の細胞株でbcl-2発現抑制に効果的であった20uMの濃度でもbcl-2の発現に変化は見られなかった。 (2)膀胱癌細胞株での検討 bcl-2高発現細胞株であるT24について検討した。この結果、ASODNの濃度依存性にbcl-2発現の抑制が見られた。 (3)bcl-2の発現抑制とアドリアマイシン(ADR)によるアポトーシス T24細胞を血清非添加に培養したところ、ASODN添加細胞で軽度の増殖抑制とアポトーシスが観察された。ASODNとADRの双方を作用させたところ,T24のアポトーシスは著名に増強された。
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