研究課題/領域番号 |
10470337
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
筧 善行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (20214273)
|
研究分担者 |
寺井 章人 京都大学, 医学研究科, 講師 (50243019)
寺地 敏郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50207487)
垣塚 彰 大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 部長 (80204329)
水谷 陽一 京都大学, 医学研究科, 助手 (10243031)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
キーワード | 前立腺癌 / PSA / 遺伝子治療 / LNCAP細胞 / アンドロゲン反応性 / TSTAsystem / GFP / アデノウィルスベクター |
研究概要 |
前立腺特異抗原(以下PSA)のプロモーター領域の解析を行い、5領域の5.3Kbが前立腺特異的なプロモーター活性を有することを、ヒト前立腺癌細胞で唯一アンドロゲン反応性を有するLNCaP細胞で証明した。しかし、そのプロモーター活性は弱いことから、人工的な転写活性化因子であるGAL4-VP16融合遺伝子を介在させたTwo Step Transcriptional Activation system0(以下TSTA)による発現増幅システムを導入した。その結果PSAを発現するLNCaP細胞のみで強い転写活性を認めた。さらに遺伝子治療への応用を目指し、Expanded-polyglutamine geneを発現させ、PSA特異的に細胞死を導くことができた。このTSTAシステムをアデノウイルスの系で発現させるため、リポーター遺伝子を発現する組み替えアデノウイルスを作成した。しかし、ベクター骨格が変化するにつれてGFPの発現が低下。アデノウイルスの系ではほとんど発現しないことが判明した。詳細な検討を行った結果、TSTAsystemの第一段階(プロモーターを含む)に問題があり、プラスミドでは成功したシステムが、ベクター骨格が変化するにつれて発現が低下することが分かった。一方、前立腺癌同所移植実験系を確立するための実験を平行して遂行した。まず、アンドロゲン反応性のLNCaP細胞にGFP遺伝子を導入し、GFPを恒常的に高発現し、しかも本来のアンドロゲン反応性やPSA産生能を保持するLNCaP-GFP細胞を樹立した。この細胞をSCIDマウスの前立腺に同所移植すると、従来の方法では最低12週間を要した肺転移の同定が蛍光顕微鏡下に4週で観察できた。この系を用いて、各種癌の進行・転移に関与するとされる、KAI-1やMRP-1を組み込んだアデノウィルスベクターや、アポトーシス誘導作用を有する三酸化ヒ素による転移抑制効果の検討を開始している。
|