研究概要 |
1)18家系の家族性卵巣癌家系を新たに集積し、直接シークエンス法にてBRCA1遺伝子の異常を調べた結果、6家系に突然変異を認めた。 2)BRCA1に突然変異を認めない家族性卵巣癌34家系の患者ペアを対象に、X染色体を含む染色体全域を400個のマイクロサテライトマーカー(平均距離9.2cM)にてNon-parametric linkage(NPL)analysisを行った。その結果、multipoint analysisのGENEHUNTERでNPL scoreが2.0以上を示す領域が2q21-22,8q22-24、13q34、16p12、の4箇所みとめられ、two point analysisのSIBPALでp-valueが0.005以下を示す領域が2p12-13、8q22-24、16p12、17q11-22の4箇所認められた。両者ともに高いポイントを示す8q22-24(NPL Score 2.07,p-value=0.0025)と16p12(NPL Score 2.03,p-value=0.0001)の2領域で連鎖が示唆された。 3)BRCA1に異常のない家族性卵巣癌11家系13症例についてComparative Genomic Hybridization (CGH)解析を行った結果、3q24-27、8q22-24、12p13-12領域における遺伝子増幅および1p36-34、3p21-14、5q31-35、6q24-27、7p22-15、8p23-12、9q31-34、12q23-24、13q31-34、16p、16q、17p、17q、18q21-23、22q、Xp領域における遺伝子欠失が高頻度に検出された。 4)以上より連鎖の存在が示唆されかつ遺伝子欠失が高頻度に認められた、8q22-24、16p12、領域に家族性上皮性卵巣癌関連遺伝子の存在が示唆された。
|