研究概要 |
1)ヒドロキシルラジカルの定量 迷路動脈閉塞により一過性虚血動物(モルモット)を作製し,外リンパ中のヒドロオシルラジカルを定量した。その結果,虚血解除後上昇したヒドロキシルラジカルは、解除後3時間においてもその濃度が上昇しつづける事が明らかとなった。(2000年5月日本耳鼻咽喉科学会総会,2000年10月日本耳科学会,2001年2月ARO Midwinter Meetingで発表) 2)スラロイドホルモンについて (1)メチルプレドニゾロンを静脈内投与し、その内耳内分布について、HPLCを用いて測定した、その結果、投与後の時間経過において、肝・血清中に比べて、濃度上昇がやや遅く、かつそのeliminationも遅かった。従って、長時間にわたって、内耳組織内にメチルプレドニゾロンが維持されることが判かった。(Otology Japan, Hearing Researchに投稿中) (2)ステロイドホルモン受容体mRNAについて,in situ hybridyzationを行ない.そのmRNAが蝸牛軸及びラセンじん帯に発現していることが判った(動物はモルモット)。 3)蝸牛内NO動態 NO Detecforを用いて、in vivoでモルモットタトリンパ中のNOを測定した。その結果、一過性虚血,アスフィキシアにおいて、負荷解除後、NOが一過性に発生することが判った。(2000年10月日本耳科学会で発表) 4)各種フリーラジカルスカベンジャー(Poly(ADP-ribose)synthase,7-nitroindazole,phaspholipase A_2,Calmodulin anta gonist)について、これらがいずれも一過性虚血による蝸牛活動電位抑制に保護的に作用した。
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