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2000 年度 実績報告書

緑内障分子機構の解明と遺伝子治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10470362
研究機関京都大学

研究代表者

柏井 聡  京都大学, 医学研究科, 助教授 (50194717)

研究分担者 高橋 政代  京都大学, 医学研究科, 助手 (80252443)
キーワードアポトーシス / 緑内障 / NMDA / 神経防御 / BDNF / 網膜神経節細胞 / バイグリカン / ラミニン
研究概要

近年緑内障における神経節細胞死の機序の一つであるアポトーシスが解明されつつあり、その治療法として直接的に細胞死を防ぐという「神経防御」的緑内障治療が期待されている。また、緑内障における房水流出抵抗の異常上昇の原因も分子生物学的の進歩により解明されつつある。
本研究では緑内障におけるアポトーシスの機構を解明し、薬物投与、遺伝子導入などの技術を用いて、新しい治療概念をたてようとするものである。我々はラット緑内障モデルと考えられているNMDA及びカイニン酸の硝子体注入モデルを作成し、様々なタンパクのストレス応答を確認した。その中でも神経栄養因子のひとつであるCNTFあるいはBDNFをラット緑内障モデル眼の硝子体に投与したところ、緑内障に特徴的とされる網膜神経節細胞の細胞死が抑制されることを確認した。さらに別の実験において、ヒト線維柱帯細胞の培養細胞を用いて、現在原発開放隅角緑内障で異常沈着が指摘されているコンドロイチン硫酸型プロテオグリカンの中のいくつかの発現を観察したところ、特にバイグリカンの発現が多く認められた。さらに、網膜神経節細胞の培養を行い、網膜神経細胞の培養皿を神経節細胞の再生を促すラミニンやコンドロイチン硫酸型プロテオグリカンでコーティングした後に神経突起の伸長及び分岐を観察したところフォスファカン、ニューロカンでは神経伸長及び分岐の抑制を認めた。今後これらの研究が将来の緑内障治療に役立つものと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Inatani et.al.: "Neuroglycan C.a neural tissue-specific transmembrane chondroitin sulfate proteoglycan in retinal neural network formation"Invest Ophthalnol Vis Sci. 41-13. 4338-4346 (2000)

  • [文献書誌] N.Kido et.al: "Neuroprotective effects of brain-derived neurotrophic factor in eyes with NMDA-induced neuronal death"Brain Res. 884. 59-67 (2000)

  • [文献書誌] M.Inatani et.al: "Upregulated expression of neurocan : a nervous tissue specific proteoglycan in transient retinal ischemia"Invest Ophthalmol Vis.Sci. 41-9. 2748-2754 (2000)

  • [文献書誌] M.Inatani et al.: "Spatiotemporal expression patterns of 6B4 proteoglycanl phosphacan in the developing rat retina"Invest Ophtalmol Vis Sci. 41-7. 1990-1997 (2000)

  • [文献書誌] M.Honjo et.al: "Expression of ciliary neurotrophic factor activated by retinal Muller cells in eyes with NMDA-and kainic acid-induced neuronal death."Invest.Ophtalmol Vis.Sci. 41-2. 552-560 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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