研究課題/領域番号 |
10470363
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下村 嘉一 大阪大学, 医学部, 助教授 (20162737)
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研究分担者 |
山本 修士 大阪大学, 医学部, 助手 (80294065)
前田 直之 大阪大学, 医学部, 助手 (00273623)
渡辺 仁 大阪大学, 医学部, 講師 (60252673)
井上 幸次 大阪大学, 医学部, 助教授 (10213183)
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キーワード | 遺伝性角膜変性症 / 原因遺伝子座 / 膠様滴状角膜変性症 / 顆粒状角膜変性症 / アベリノ角膜変性症 / ケラトエピセリン遺伝子 / 第1番染色体短腕 |
研究概要 |
1. 膠様滴状角膜変性症の原因遺伝子の単離 ポジショナルクローニング法により膠様滴状角膜変性症の原因遺伝子の単離を目指した。まず、日本人近親婚家系10家系13人の患者を対象としたホモ接合体マッピング法を施行し、疾患原因遺伝子座を第1番染色体短腕に同定した。さらに、家系においてはマーカーD1S220とその遠位に隣接する2つのマーカーD1S2648,D1S2752において疾患との間に有意な連鎖不平衡を認めた。ついで、この連鎖不平衡を認めた領域、約400kbにわたるコスミド、BACコンティグを構築し、ショットガン法でその塩基配列を決定し、コンピュータープログラムにより疾患原因遺伝子の検索を行った。その結果、単離した候補遺伝子の一つにおいて患者に特有な3つのナンセンス変異と1つのフレームシフト変異を同定した。また、正常日本人100家系においてはこれらの変異を認めなかった。この結果より我々はこの遺伝子が膠様滴状角膜変性症の疾患原因遺伝子であると結論した。 2. 非定型的重症型角膜変性症の遺伝子解析 顆粒状角膜変性症およびアベリノ角膜変性症の原因遺伝子としてケラトエピセリン(βig-h3)遺伝子の変異が報告されている。我々は、分子遺伝学的解析により、ケラトエピセリン変異のホモ接合体であることを確定診断し得た非定型的重症型の角膜変性症を報告した。5症例において124番目のアルギニンがヒスチジンに変異しており、臨床的には濃い敷石状の混濁が角膜に認められた。
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