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1998 年度 実績報告書

網膜微小循環における白血球-血管内皮相互反応機構とその病態的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10470364
研究種目

基盤研究(B)

研究機関名古屋市立大学

研究代表者

小椋 祐一郎  名古屋市立大学, 医学部, 教授 (70191963)

研究分担者 尾関 年則  名古屋市立大学, 医学部, 講師 (60254299)
キーワード白血球 / acridine orange / 網膜虚血再灌流 / 高脂血症
研究概要

ラットの網膜微小循環における白血球動態の評価方法として、acridine orange digitalfluorographyの手法を確立した。麻酔下でラットの尾静脈にルートを確保し、角膜に専用のコンタクトレンズをのせ、走査型レーザ検眼鏡(SLO)でラットの眼底を観察する。尾静脈から核染色色素であるacridine orange(AO)を注入すると、染色された白血球がSLOのアルゴンレーザにより励起されて蛍光を発するため、網膜を循環あるいは集積している白血球を白い過蛍光点として観察可能であった。得られた画像から、コンピュータによる画像解析を用いて網膜毛細血管内白血球速度、網膜内に集積した白血球数、網膜主幹血管径を測定した。マウスでもAOを尾静脈にone shotで注入することにより、その撮影方法を確立した。次にラットの病態モデルにおける白血球動態を評価するため、高脂血症モデルと網膜虚血再灌流モデルを作成した。高コレステロール食を4週間投与した高脂血症モデルでは、網膜内の白血球集積数がコントロールと比べ有意に上昇していた。また、HMG-CoA還元酵素阻害薬を含有した高コレステロール食を投与したラットでは、高脂血症モデルと比べ白血球集積数が有意に抑制されていた。網膜虚血再灌流モデルは、視神経を結紮して網膜の血流を途絶させ、60分後に結紮を解除して再灌流させることにより作成した。網膜虚血再灌流モデルでは、主幹静脈の拡張、白血球のローリングが観察され、網膜内の白血球集積数は著明に増加していた。また、白血球のローリングに関与する接着分子であるセレクチンを阻害するセレクチン阻害剤を、再灌流5分前に投与することにより、ローリングしている白血球数、網膜内白血球集積数は有意に抑制された。組織学的検討でも組織障害が軽減しており、セレクチン阻害剤の虚血再灌流障害における有効性が示唆された。
以上の結果より、本法は生体眼の網膜微小循環における白血球動態の評価方法として非常に有用であること、また、薬剤効果の定量的判定も可能であることが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tsujikawa,A.et al: "In Vivo evalution of toukeryte dynamics in retinal is hemia reperfusion injury" Invest Ophthalmol Vis Sci. 39. 793-800 (1998)

  • [文献書誌] Hiroshiba N et al: "Alterations of retinal mlcroclrculation in response to scatter phetocongulation" Invest Ophthalmol Vis Sci. 39. 767-776 (1998)

  • [文献書誌] Tsujikawa A.et al: "Tacrolimus (FK506)α tfenuates lfukocyte accumulation after tmnsient retinal ischemia" Stroke. 29. 1431-1438 (1998)

  • [文献書誌] Miyamoto K.et al: "In vivo demonstration of increased leukocyte entrapment in retinal microcirculation of diabetic rats" Imest Ophthalmol Vis Sci. 39. 2190-2194 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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