研究課題/領域番号 |
10470364
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (70191963)
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研究分担者 |
冨田 一之 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (40305537)
尾関 年則 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (60254299)
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キーワード | 白血球 / 糖尿病網膜症 / 接着分子 / 血管内皮 |
研究概要 |
自然発症インスリン非依存型糖尿病モデル動物であるOLETF(Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty)ラットを用いて、網膜における接着分子P-セレクチン、ICAM-1の局在について検討した。 生後72週のOLETFラットおよび対照のLETO(Long-Evans Tokushima Otsuka)ラットを屠殺し、眼球を摘出した。摘出した眼球から、網膜を分離し、抗P-セレクチンモノクロナール抗体(ARP2-3)、抗ICAM-1モノクローナル抗体(1A29)を用いてウェスタンブロッティングを行い、P-セレクチンおよびICAM-1を定量した。 ウェスタンブロッティングでは、どちらのラットにおいても、P-セレクチン(約140kD)、ICAM-1(約90kD)のバンドを認め、OLETFラットに多く発現していた。 次に、それぞれのラット摘出眼球をアルデヒド固定し、厚さ4μmのパラフィン切片にした後、抗P-セレクチンモノクローナル抗体、抗ICAM-1モノクローナル抗体を用いて、sABC(Streproavidin Biotin Complex)法により免疫染色を行い、光学顕微鏡で、網膜血管内皮の染色性を観察し、P-セレクチン、ICAM-1の発現部位を検討し、染色性の程度を比較した。 免疫染色では、OLETFラットの網膜血管内皮でP-.セレクチン、ICAM-1とも強く染色されたが、LETOの網膜血管内皮では、ICAM-1はわずかに染色性を認めたが、P-セレクチンの染色性はほとんどみられなかった。 今回、P-セレクチン、ICAM-1ともOLETFラット網膜で上昇していたことから、これらの接着分子が、糖尿病での網膜細小血管症の病態において重要な役割を果たしている可能性があると考えられた。
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