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1998 年度 実績報告書

眼内局所防禦機構に関する免疫学的・分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10470368
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

望月 學  東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (10010464)

研究分担者 秋山 隆志  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50282736)
田中 住美  東京医科歯科大学, 医学部, 助手
世古 裕子  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60301157)
キーワードぶどう膜炎 / 局所防禦機構 / HTLV-I / サイトカイン / T細胞クローン / 前房水 / FPLCカラムクロマトグラフィー / 免疫抑制
研究概要

眼内局所防御機構の解明を目的に、実験材料として、ヒトTリンパ球向性ウイルスI型(以下、HTLV-I)ぶどう膜炎患者の眼内の前房水中浸出細胞から樹立したT細胞クローン(以下、TCC)、および、手術時に採取した老人性白内障患者の前房水を健常前房水として用いて実験し、以下の結果を得た。前房水の採取は患者からインフォームドコンセントを得ておこなった。
(1) HTLV-I感染TCCは構成的にIL-6、インターフェロンγなどのサイトカインを発現しそのタンパクも産生していた。HTLV-I感染TCCの培養液中に前房水、あるいは、リン酸緩衝液を加えた。HTLV-I感染TCCによるIL-6、インターフェロンγの産生は、加えた前房水の濃度に依存して遺伝子発現レベルと蛋白レベルにおいて抑制されたが、リン酸緩衝液では抑制されなかった。
(2) 前房水をあらかじめ加熱(90度C、5分間)するか塩酸処理した後に、上記実験をおこなうと、いずれの処理によっても前房水の抑制作用は消失した。
(3) 前房水をFPLCカラムクロマトグラフィーを用いて分子量により30の分画に分け、各分画のHTLV-I感染TCCによるIL-6、インターフェロンγの産生対する作用を検討した。分子量5kDa以下の低分子の分画、約10kDのaの分画、15-18kDaの分画、約23kDaの分画が、HTLV-I感染TCCによるIL-6、インターフェロンγの産生を抑制した。
以上の実験結果から、ヒトの眼内の前房水には免疫抑制因子が存在していること、その抑制因子はタンパクであること、抑制因子は単一でなく分子量の異なる複数のタンパクであることが明かとなった。次年度は、前房水の免疫抑制因子の同定をおこなう予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ayako Ono 他: "Provirus load in patients with human T-cell leukemia virus type 1 uveitis correlates with precedent Graves disease and disease activities" Japanese Journal of Cancer Research. 89巻6号. 608-614 (1998)

  • [文献書誌] Mami Sakaguchi 他: "Cytokine production by T cells infiltrating in the eye of uveitis patiente" Japanese Journal of Ophthalmology. 42巻10月号. 262-268 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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