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1999 年度 実績報告書

瘢痕形成に関与するサイトカインとその制御に関する研究-中和抗体やantisenseを用いて-

研究課題

研究課題/領域番号 10470375
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

小野 一郎  福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (20125298)

キーワード創傷治癒 / 難治性潰瘍 / サイトカイン / コラーゲンスポンジ / 創収縮 / TGFβ_1 / 真皮代替物 / 褥瘡
研究概要

本年度は創収縮が遷延する創治癒遷延モデルの作成の試みを行ないマウスを用いて遷延モデルを作成することが出来た。次いでこの実験モデルの創面からの浸出液を収集し、その中の各種cytokineの含有量を測定した。その結果、cytokineの産生の面からこのモデルは肉眼的、組織学的な観点からだけではなく、生物活性においても対照群と明らかに異なる環境であることを示していることが明らかとなった。この点から、本モデルを用いて、創傷治癒を促進すると考えられるcytokineや薬剤の投与、不足しているcytokineの投与、過剰産生のcytokineの中和、さらにはcollagen spongeなどの真皮代替物とcytokineの併用の効果の判定に用いるなどの試みは創収縮の制御という重要な研究目標のみでなく、今後は褥瘡で代表される難治性潰瘍の治療法の開発、評価、肥厚性瘢痕の予防などの基礎研究の進歩にに大いに貢献する成果を上げ得るものと考えられる。
また、正常皮膚から線維芽細胞を分離培養し、その継代培養の際に各種濃度のTGFβ_1を添加してその増殖促進効果について検討するとともにIn vitroの創収縮モデルであるcollagen gel収縮に与える影響について検討し、創収縮においてTGFβ_1が重要な役割を果たしていることを改めて明らかとした。さらに前述の実験モデルで創収縮にcollagen spongeとTGFβ_1が与える影響について検討を加えている。このようにin vitroとin vivoの両面から創の収縮を検討するモデルを確立するとともに、創傷治癒における重要な反応を制御するする事が可能であることを明らかとし、最終年度の研究のさらなる発展性を見い出すとともに、臨床応用に関する貴重な基礎知見を明らかとすることができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ichiro Ono, Masayuki Inoue, Tohru Tateshita: "Effects of collagen matrix containing basic fibroblast growth factor on wound contraction."J.Biomed. Materi. Res. App. Biomat.. 48. 621-630 (1999)

  • [文献書誌] Li-Jun Zhou, Ichiro Ono: "Stimulative effects of DBcAMP on cytokine production of keratino cytes and fibroblasts."Brit. J. Dermatol.,. (in press).

  • [文献書誌] Li-Jun Zhou, Risako Matsui, Ichiro Ono: "Development of a chronic type skin defect model and a study of secretion using the model."Wound Rep. Regen,. (in press).

  • [文献書誌] 小野一郎: "形成外科・最近のトピックス.創傷治癒におけるサイトカインの役割"日本外科学会雑誌.. 100. 522-528 (1999)

  • [文献書誌] 小野一郎、舘下 亨、周 立軍: "Prostaglandin E_1を含有させたcollagen matrixの創収縮抑制効果についての研究"Progress in Medicine.. 19. 2238-2239 (1999)

  • [文献書誌] 赤坂喜清、大塚 潔、石川由紀雄、増田隆夫、小野一郎、石井壽晴: "隆起性瘢痕における線維芽細胞アポトーシスとCaspaseの発現性"Progress in Medicine.. 19. 2216-2217 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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