毛嚢由来成分によるケロイド発生に先立って線維芽細胞を培養し、培養線維芽細胞に対する各種抗生剤の増殖抑制を検討した。線維芽細胞は手術時の正常部真皮、または癜痕より採取した。 10%FBS入りDMEM500mlにPC、SMを1mi添加した通常培地にペニシリン系、セフェム系1〜3代、マクロライト系、ポリペプタイド系、アミノグリコシド系の各種抗生剤を添加した。濃度は通常使用量を点滴静注した時の最高血中濃度を基準にその1倍、2倍、4倍、8倍、16倍とし、コントロールと比較した。位相差顕微鏡による観察と細胞数測定をMTT法によるバイオラット社マイクロリーダー(BIORADモデル550、BIORADモデル1575)で行った。吸光度測定による線維芽細胞数の変化は抗生剤の種類によりまた濃度依存性に種々のきれいな抑制パターンを示した。種類別ではセフェム系で強く、ペニシリン系、ポリペプタイド系で弱く、テトラサイクリン系、アミノグリコシド系は中間を示した。
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