毛嚢性疾患である毛孔性苔癬を持つ人に有意にケロイド発生を見た。 ケロイド患者の62.8%に毛孔性苔癬を有していたが非ケロイドの対照の1.1%と比較すると著明な差であった。 ヒト培養線維芽細胞に対して各種抗生剤、免疫抑制剤の反応をみるとセファロスポリン系で強い増殖抑制作用がみられ、サイクロスポリンでも強い抑制作用がみられた。タクロリムスでは中等度の抑制作用であった。 ケロイドの線維芽細胞についてアポトーシスを調べるとケロイドの活動部で多くみられ、非活動部や肥厚性瘢痕ではアポトーシスは少なかった。 ケロイドの増殖が線維芽細胞の分裂増殖とアポトーシスのバランスの中で行われているのではないかと推論される。 一方、手術創において毛の発育が著明なのに気付き、ラットを使いサイトカインを調べたところ、IL6、TNFαが毛の育毛に関与していることがわかった。特にIL6を5日間連続投与すると対照に比較して明瞭に育毛が認められた。
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