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1999 年度 実績報告書

歯周病原細菌における口腔環境からの生体鉄の獲得および蓄積の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 10470383
研究機関九州大学

研究代表者

中山 浩次  九州大学, 歯学部, 助教授 (80150473)

研究分担者 塩田 進  九州大学, 歯学部, 助手 (00150467)
キーワードポルフィロモナス ジンジパリス / 歯周病 / 嫌気性細菌 / ヘム / プロテアーゼ
研究概要

ヘムおよび鉄イオンは細菌細胞内ではそれぞれバクテリオフェリチンとフェリチンに貯蔵される。これらの貯蔵タンパク質がPorphyromonas gingivalisに存在するかどうか、また、それらの意義を明らかにするため、まず、P.gingivalisより比重が高く、中心部に電子密度の高いタンパク質円形粒子(モノマー分子量:18K)を精製した。電子顕微鏡観察の結果、これらはバクテリオフェリチンもしくはフェリチン粒子の可能性が高かったので、そのN末端アミノ酸配列を決定し、その情報をもとにそのタンパク質をコードする遺伝子をクローニングした。塩基配列を決定したところ、分子量18,507のタンパク質をコードするopen reading frameが存在していた。このタンパク質のアミノ酸配列は他の細菌のフェリチンのそれと類似性が高かった。さらに、この遺伝子DNAを大腸菌にて発現させ、このタンパク質を精製した。このタンパク質にはヘムではなく、鉄イオンが内包されていることがわかった。これらの結果からこの遺伝子がP.gingivalisのフェリチン遺伝子(ftn)であることが示唆された。この遺伝子DNAを用いてP.gingivalisのフェリチン欠損株を作製した。フェリチン欠損株は野性株に比べて鉄欠乏状態ではより」速やかに増殖が停止することがわかった。フェリチンは一般的に細胞内の遊離の鉄の濃度を減少させることで酸素ラジカルの発生を抑制していると考えられているが、P.gingivalisフェリチン欠損株の過酸化剤に対する感受性は野性株を変らなかった。これらの結果からP.gingivalisのフェリチンは鉄の細胞内蓄積に貢献しており、環境中の鉄が欠乏している状態では鉄の供給源になっていることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kadowaki,T.et al.: "Arg-gingipain acts as a major processing enzyme ----"J.Biol.Chem.. 273 44. 29072-29076 (1998)

  • [文献書誌] Shi,Y.et al.: "Genetic analyses of proteolysis,hemoglobin --------"J.Biol.Chem.. 274 25. 17955-17960 (1999)

  • [文献書誌] Curtis,M.A.et al.: "Molecular genetics and nomenclature of proteases ---"J.Periodont.Res.. 34. 464-472 (1999)

  • [文献書誌] Hiraoka,B.Y.et al.: "A change of the metal-specific activity of a --------"Biochem.J.. 345. 345-350 (2000)

  • [文献書誌] Ratnayake,D.B.et al.: "Ferritin from the obligate anaerobe Porphyromonas ---"Microbiology. (in press).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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