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2000 年度 実績報告書

骨組織の発生、代謝に対する肝細胞増殖因子/上皮細胞分散因子(HGF/SF)の影響-フェチュインの発現調節を中心として-

研究課題

研究課題/領域番号 10470391
研究機関鹿児島大学

研究代表者

大工原 恭  鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40028733)

研究分担者 小窪 明子  鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90304534)
梶原 武弘  鹿児島大学, 歯学部, 助手 (10305138)
キーワード肝細胞増殖因子(HGF) / 細胞分散因子(SF) / フェチュイン / myo D / myogenin / 細胞遊走
研究概要

前年度までの研究により、HGF/SFは舌の発生にも関与していることが明らかになったため、本年度は主としてこれについて検討し、以下のことを明らかにした。
マウス胎生12日の舌におけるHGF/SF、HGF/SFの受容体であるc-met、及び筋特異的転写因子myo Dの発現局在をin situ hybridization法により検討したところ、c-metとmyo Dの舌筋部での発現は明らかに一致しており、HGF/SFが舌筋の発生に深く関わっていることが示唆された。次に、HGF/SFが直接、筋芽細胞にどのように働いているかを、マウス培養筋芽細胞C2C12を用いて検討した。すなわち、C2C12細胞をDME培地で培養し、DNA合成能を測定したところ、ヒト組換え体HGF/SF(rhHGF)の添加により有意に増加した。また、この細胞からtotal RNAを抽出して、ノーザンブッロット法を行ったところ、筋特異的転写因子であるmyogeninの発現がrhHGFの添加により有意に抑制されていることを認めた。さらに、RT-PCR法を用いて、この細胞が、rhHGFの添加により、gelatinaseの発現を促進していることを確認した。Gelatinaseは腫瘍細胞などで細胞遊走に関わっていることから、分化過程の筋芽細胞でも遊走に関わっていると考えられ、HGF/SFがその機能を促進していることが示唆される。そこで、舌を半分に切断して筋芽細胞を露出させ、細胞外マトリックス(ECM)でコートし、ECMへの筋芽細胞の遊走度を測定する実験系を確立し、検討した結果、rhHGFの添加により濃度依存的に筋芽細胞の遊走が見られた。
これらの結果は、HGF/SFが発生段階の舌で筋の分化を抑制すると同時に、筋芽細胞を増殖し、gelatinaseを介する筋芽細胞の遊走を促進していることを示唆するものである。
また、本年度はフェチュインが胎生期ratのneocortexの発生と発育に関与していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tamura,M.: "Structure and function of hepatocyte growth factor/scatter factor (HGF/SF)."Current Topics in Biochem.Res.. 2. 149-159 (2000)

  • [文献書誌] Dziegielewska,K.M.: "Fetuin in the developing neocortex of the rat : distribution and origin."J.Comp.Neurol.. 423. 373-388 (2000)

  • [文献書誌] 中村修(分担): "タンパク質化学 第5巻(I)(血漿タンパク質)"廣川書店(印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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