研究課題/領域番号 |
10470393
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
堀内 登 奥羽大学, 歯学部, 教授 (00107294)
|
研究分担者 |
松沼 礼子 奥羽大学, 歯学部, 助手 (30296040)
川根 徹也 奥羽大学, 歯学部, 助手 (00265208)
明野 ながこ 奥羽大学, 歯学部, 助手 (30231856)
阿部 匡聡 奥羽大学, 歯学部, 講師 (10254872)
|
キーワード | 骨粗鬆症 / グルココルチコイド / 1α-水酸化酵素 / 24-水酸化酵素 / ビタミンD受容体 / 転写調節 |
研究概要 |
グルココルチコイドの大量投与により骨粗鬆症が発症することはよく知られている。研究代表者はデキサメタゾン(Dex)をマウスに投与し、腎のビタミンD代謝である1α-および24-水酸化酵素の発現調節について検討を行った。8週齢のddYマウス(雄性)を低カルシウム・ビタミンD欠乏食で2週間飼育し(-Ca-D)、半数に屠殺6日前からグルココルチコイドとしてDexを2.0mg/kg bw/dayで5日皮下投与した。屠殺後、血液採取と腎の摘出を行った。血漿Ca濃度は、-Ca-D群では正常食マウス(+Ca+D)に比べ有意に低下したが、Dex投与により+Ca+D群以上に増加した。P濃度に変化は認められなかった。1,25(OH)_2D_3濃度は-Ca-D群で有意に増加したが、Dex投与による変化は見られなかった。腎の1α-水酸化酵素、24-水酸化酵素、およびビタミンD受容体(VDR)mRNAをノーザンハイブリダイゼーション法により検討したところ、-Ca-D群における腎の1α-水酸化酵素mRNAと酵素活性は、Dex投与により低下した。一方、24-水酸化酵素のmRNAと酵素活性はDex投与により約10倍以上の増加を示した。この時のVDRmRNAはDex投与により1.5倍に上昇した。しかし、Bindin gassayにより機能的VDRの発現量を調べたところ、Dex投与による変化は認められなかった。すなわち、Dexによる24-水酸化酵素遺伝子発現の上昇と1α-水酸化酵素遺伝子発現の低下は、機能的VDRの発現量に起因するのではなく、Dexの直接作用によると考えられる。おそらく、グルココルチコイドの未知の作用機序により24-水酸化酵素発現が上昇したと推測される。以上の結果より、低カルシウム・ビタミンD欠乏食で飼育したマウスの腎では、グルココルチコイド投与により1α-水酸化酵素発現が抑制され、24-水酸化酵素が強く誘導されることが示された。
|