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1998 年度 実績報告書

ストレス刺激伝達系におけるASK1ならびにASK2の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10470396
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

一條 秀憲  東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00242206)

研究分担者 斉藤 正夫  東京医科歯科大学, 歯学部・日本学術振興会, 特別研究員
武田 弘資  (財)癌研究会, 癌研究所・生化学部, 嘱託研究員
キーワードASK1 / アポトーシス / MAPキナーゼ / Traf / Daxx
研究概要

アポトーシスは、組織恒常性の維持に最も重要な細胞機能メカニズムのひとつである。本研究の大きな目的は、ASKl(Apoptosis Signal-regulating Kinase l)を介したアポトーシスシグナル伝達経路を明らかにすることにより、アポトーシスの細胞内分子機構解明に努めるものであり、本年度は特にASKl結合蛋白質によるASKl活性化機構の解析を進めた。
(1) ASKl抑制性制御分子としてのチオレドキシンの同定:ASKl活性化の分子機構を明らかにする目的で、酵母two-hybridシステムを用いASKl結合タンパク質の解析を行ったところ、酸化還元(レドックス)タンパク質、チオレドキシン(T)がASKlのN末端に直接結合することを見いだし、チオレドキシンがASKlの特異的抑制因子として活性酸素種によるASKl活性化を介したアポトーシスにおける負の制御機構に寄与していることを明らかにした。
(2) ASKl活性化制御分子としてのTRAF2の同定TNFのシグナル伝達分子であるTRAF2の直接的なエフェクター分子としてのASKlの可能性について検討を行なったところ、TRAF2はASKlに結合するとともにASKlを活性化し、TNFシグナル伝達におけるJNK pathwayにおいてTRAF2-ASKl経路がたいへん重要な位置を占めることが明らかにされた。
(3) ASKl活性化制御分子としてのDaxxの同定:Fasからのシグナル伝達分子DaxxとASKlの関連性について検討したところ、DaxxはASKlに結合するとともにASKlを活性化し、Fasシグナル伝達におけるJNK pathwayにおいてDaxx-ASKl経路が生理的役割を持つことが明らかにされた。
以上のように本年度はASKl活性制御分子メカニズムとしてひとつの抑制因子とふたつの活性化因子の同定に成功した。今後はこれらの分子機構を介したシグナル伝達が組織恒常性維持におけるアポトーシスにどのように関わっているかを生体内で明らかにする必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Funato,N.: "Evidence for apoptosis signal-regulating kinase (ASK)1 in the regenerating palatal epithelium upon acute injury." Lab.Invest.78. 477-483 (1998)

  • [文献書誌] Saitoh,M.: "Mammalian thioredoxin is a direct inhibitor of apoptosis signal-regulating kinase (ASK) 1." EMBO J.17. 2596-2606 (1998)

  • [文献書誌] Takeda,K.: "Identification of a novel bone morphogenetic protein-responsive gene that may function as a noncoding RNA." J.Biol.Chem.273. 17079-17085 (1998)

  • [文献書誌] Nishitoh,H.: "ASK1 is essential for JNK/SAPK activation by TRAF2." Molec.Cell. 2. 389-395 (1998)

  • [文献書誌] Berestetskaya,Y.V.: "Regulation of apoptosis by alhpa subunits of G12 and G13 proteins via apoptosis signal-regulating." J.Biol.Chem.273. 27816-27823 (1998)

  • [文献書誌] Chang,H.Y.: "Activation of apoptosis signal-regulating kinase 1 (ASK1) by the adapter protein daxx." Science. 281. 1860-1863 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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