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1999 年度 実績報告書

ストレス刺激伝達系におけるASK1ならびにASK2の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10470396
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

一條 秀憲  東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00242206)

研究分担者 斉藤 正夫  東京医科歯科大学, 歯学部・日本学術振興会, 特別研究員
武田 弘資  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10313230)
キーワードASK1 / JNK / p38 / アポトーシス
研究概要

アポトーシスのシグナル伝達機構は、最終的な細胞死の実行機構としてのシステインプロテアーゼの解析を中心に研究が進められているが、アポトーシスの誘導シグナルについては不明な点が多い。われわれは、ASK1-MAPキナーゼ系の活性制御機構ならびにASK1誘導性アポトーシスの分子機構の解明を中心に研究を行なった。前年度までの研究成果からASK1活性制御機構の分子機構として、チオレドキシンならびにTRAF2がそれぞれASK1の活性抑制因子ならびに活性化因子として機能していることが明らかになっていた。本年度は両者の相対関係を検討した結果、TNF-TRAF2系によるASK1の活性化機構ではTRAF2とASK1の結合に先行してチオレドキシンの不活化ならびにASK1からの解離が誘導されることが明らかになった。また、ASK1によって誘導されるアポトーシスの過程では、ASK1によって活性化されたJNKによるBcl-2のリン酸化が重要な役割を果たしていることが明らかにされた。さらに構成的活性化型ASK1を用いた実験等により、細胞内でのASK1の活性化はアポトーシスのみならず、ASK1の活性化の程度に応じて細胞分化を誘導しうることが明らかになった。さらにASK1による細胞分化誘導は主にp38が活性化されることによるものであることが示唆された。われわれは本年度の研究成果として、TNFがASK1-MAPキナーゼ系の活性化に至る分子機構を明らかにした。またASK1が強く活性化されるとASK1-JNK系がBcl-2のリン酸化を介してアポトーシスを誘導するのに対し、ASK1-p38系は少なくとも一部の細胞で分化誘導に働くことが明らかになり、分化と死のシグナル伝達の連続性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Chen, Z.: "ASK1 mediates apoptotic cell death induced by genotoxic stress."Oncogene. 18. 173-180 (1999)

  • [文献書誌] Ichijo, H.: "From receptors to stress-activated MAP kinase.(review article)"Oncogene. 18. 6087-6093 (1999)

  • [文献書誌] Yamamoto, K.: "BCL-2 is phosphorylated and inactivated by an ASK1/JNK pathway normally activated at G2/M."Mol. Cell Biol.. 19. 8469-8478 (1999)

  • [文献書誌] Kanamoto, T.: "Role of apoptosis signal-regulating kinase in regulation of the Jun N-terminal Kinase pathway and apoptosis in sympathetic neurons."Mol. Cell Biol.. 20. 196-204 (2000)

  • [文献書誌] Liu, H.: "Activation of apoptosis signal-regulating kinase 1(ASK1) by TNF receptor-associated factor-2 (TRAF2) requires prior dissociation of the ASK1 inhibitor Thioredoxin."Mol. Cell. Biol.. 20. 2198-2208 (2000)

  • [文献書誌] Takeda, K.: "Apoptosis Signal-regulating Kinase 1(ASK1) Induces Neuronal Differentiation and Survival of PC12 Cells."J. Biol. Chem.. 275. 9805-9813 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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