研究概要 |
本年度の研究実施計画に則り、一連のB10.コンジェニックマウスにユニットペプチドおよび、そのV(バリン)置換ペプチドをそれぞれ免疫し、抗体産生能を比較することによりそのアグレトープを解析した。 その結果、ユニットペプチドはB10.A.B10.D2、B10.BRの3系(1-A^a,I-A^dおよびI-A^k)のマウスでPAcに交叉反応性の抗体を誘導できることが明らかとなった。またその際、B10.D2に対しては6番目のLと13番目のLが、B10.Aに対しては1番目のTと2番目のYおよび8番目のQが、B10.BRに対しては5番目のAと8番目のQが、それぞれアグレトープに必須のアミノ酸残基と推定された。現在、その確認実験を計画中であり、その後、ユニットペプチドの交叉反応性エピトープ(-Y---L--Y----)およびH-2の遺伝子型a,d,kのアグレトープに関与するアミノ酸残基を固定し、それ以外のアミノ酸残基を他の19種のアミノ酸残基とランダムに置換することによる『部位限定ペプチドライブラリー』の作製を試みる。他方、ユニットペプチドを種々のデザインで連結し、その抗体誘導能を比較したところ、アジュバント非存在下において、タンデム連結型において抗体誘導能が著しく増強されること、連結部にスペーサーとしてリジン1残基または2残基を用いることにより増強効果が高まること、ペプチドユニットのC末側に3残基アミノ酸KQYを附加することによっても誘導能の増強が認められること、等々が
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