研究概要 |
1. in vitro免疫法 歯髄細胞中ことに象牙芽細胞層には突起を有する細胞が多数存在するため,客観的に象牙芽細胞を同定できなかった.これまでの研究は細胞の科学的同定がされることなく各種細胞を混同して線維芽細胞あるいは未分化間葉細胞として扱ってきた.そこで申請者等はin vitro免疫法で抗ネコ象牙芽細胞モノクローナル抗体を生成し,象牙芽細胞を単離細胞中あるいは組織切片において免疫組織学的に同定した. 2. ナイスタチンを用いたwhole-cell patch-clamp法 こうして同定した象牙芽細胞であるが微小なために電極の挿入が不可能であった.この点を、ナイスタチンを用いたwhole-cell patch-clamp法を用いイオンチャンネルレベルで記録可能にした.象牙芽細胞膜に存在する非電位依存性チャンネルの種類、密度、機能が明らかにし,同細胞に電位依存性チャンネルはなく,この細胞が受容器として機能している証拠は認められなかった. 3. gap-junction UshiyamaとFrancescoらは象牙芽細胞間のgap-junctionを証明した.これに対し我々は象牙芽細胞と樹状細胞間のdye-couplingを証明し,,それが電子顕微鏡学的にgap-junctionであることを証明した.これにより象牙芽細胞は神経系を介さずにgap-junctionを通じて情報を他の細胞に伝達している可能性が示された.
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