研究課題/領域番号 |
10470406
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松尾 敬志 徳島大学, 歯学部, 教授 (30173800)
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研究分担者 |
尾崎 和美 徳島大学, 歯学部, 助手 (90214121)
中西 正 徳島大学, 歯学部, 助手 (00217770)
中江 英明 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (30227730)
吉田 佳子 徳島大学, 歯学部, 教務職員 (20243727)
藤中 恵子 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (00294710)
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キーワード | 感染根管 / 口腔内細菌 / 免疫染色 / 根尖部 / バイオフィルム / 局在 / 難治性根尖性歯周炎 |
研究概要 |
ヒト感染根管における細菌侵襲の実態を明らかにすることを目的に、感染根管内の細菌の局在を免疫組織学的に検討した。これまで感染根管内の細菌は培養法でしか同定することができなかったため、細菌の局在を明らかにすることはできず、その重要性にもかかわらず根管内の細菌感染の実態は不明であった。今回根管内容物を保持したまま切片作製を可能とする、新しい樹脂包埋法を確立したことにより、感染根管内の細菌を免疫組織学的に同定することが可能となった。そこで歯髄死と判定されかつ臨床上抜歯の適応と診断された12歯を被験歯とし、16種の口腔内細菌に対する抗血清を用いて根管内に侵入している細菌を同定すると共にその局在を検索した。その結果、12歯全ての根管内に細菌の侵入が認められた。これを部位別に検索すると、歯冠側ではStreptococcus mutansが、中央側ではLactobacillus caseiが、そして根尖側ではS.sanguisおよびPrevotella nigrescens/P.intermediaの出現頻度が高かった。一方、Treponema denticolaはほとんど検出されなかった。感染根管に棲息する細菌の内、特に根尖部の細菌は根尖歯周組織へ直接侵襲する可能性が高く、根尖性歯周炎の実態を解明するうえで重要と考えられる。今回、根尖部における細菌感染の実態を調べたところ、根尖部の細菌が根尖孔外に侵出してバイオフィルム状になっている場合のあることが明らかとなった。そして、このバイオフィルム中には、S.mutansやPorphylomonas gingivalis、Campylobacter rectusの存在することが確認された。根尖孔外に認められたこれらの細菌は根管治療によっても除去されないことより、これらの残存した細菌が根管治療で治癒しない、いわゆる難治症例の原因になっている可能性が示された。
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