研究概要 |
rhBMP-2を用いた生体活性型覆髄剤を開発することを最終的な目標として、まず最初に、rhBMP-2の歯髄細胞の分化に対する影響を定量PCR法を用いてmRNAレベルでの検討を行った。抜歯直後の智歯より歯髄組織を摘出し、out-growth法にて歯髄細胞を得た。4-7代の歯髄細胞に無血清培養条件下で0,10,100,1000ng/mlのrhBMP-2を添加して、24時間後に、細胞を回収して、LightCycler(Roche, Germany)を用いて各種mRNAの発現を比較、検討した。その結果、rhBMP-2の濃度依存的に、象牙芽細胞のマーカーとして考えられているDentin Sialophosphoprotein mRNAの発現の上昇が認められた。すなわち、rhBMP-2の添加により、歯髄細胞から象牙芽細胞への分化促進が認められ、rhBMP-2を用いて効果的な歯髄保存療法剤を作ることができることが示唆された。次に、rhBMP-2の担体として1型コラーゲンと多孔質ハイドロキシアパタイトおよびco-factorとしてphosphophorynを用いてラット皮下結合組織内への移植、および頭蓋骨上への移植を行ったところ、コントロールと比較して旺盛な骨形成誘導が認められ、rhBMP-2/多孔質ハイドロキシアパタイト/1型コラーゲン/phosphophoryn複合体は効果的な覆髄剤となることが示唆された。
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